何かと話題のアメリカ車。そこで今回から3回に分けて、アメリカのラグジュアリーブランド「キャデラック」の今をご紹介したいと思います。
アメ車は売れているブランドと
売れていないブランドが顕著
ドナルド・トランプ大統領は就任以来「日本人は我が国の車を買わないにも関わらず、車を売りつけてくる。貿易不均衡だ」と言い続け、日本車に対する関税でメーカーが振り回されたのは記憶に新しいところ。
まず「本当に日本人はアメ車を買っていないのか?」という事から。日本自動車輸入組合が公表している2024年の車名別輸入車新規登録台数を見ると、Jeep(クライスラー)が9721台。電気自動車のテスラが5653台。ですがGM(キャデラックやコルベット)はというと、キャデラックの国内登録台数は449台、コルベットが518台。これらアメリカ車を全部足すと16341台で、2024年上半期に米国で売った日本車の販売台数588万2438台には遠く及びません。
これだけ見れば「日本人はアメリカのクルマを買っていない!」と米大統領が文句を言うのも無理ないのですが、昨年の日本国内の新車販売台数は442万台ですので、日本で売るクルマを全部アメ車にしてもトントンにはなりません。
次に日本人がアメリカ車を買わない理由に挙げられるのが「大きくて日本の道に合わない」「燃費が悪い」「どこで売っているんだ」というもの。調べたところ、2024年2月現在、GMジャパンの国内正規ディーラー法人数・拠点数は6社14店舗。これだけ見ると少ないですが、実はヤナセと光岡自動車で購入できるそうです。となると、案外近くで売っていたりするのではないでしょうか?
思ったより小さく、広い荷室に大満足
続いて「大きくて日本の道に合わない」について。さっそくキャデラックXT4を見てみましょう。
タイヤサイズは245/45R20で、SUVとしてはペッタンコな部類です。タイヤはコンチネンタルのコンフォート系が装着されており、「え? グッドイヤーやBFグッドリッチといった米国ブランドじゃないの?」と思ったり。
荷室の容量は637リットルと大容量。前出のハリヤーが409リットルですので、大きく上回ります。後席を倒せば1384リットルと拡大。ハリヤーが1045リットルですので、トヨタは敵ではありません! DC12V出力のアクセサリーソケット、荷室側から後席が倒せる機構を用意するなど、使い勝手において他社に見劣る部分はありません。いいかもキャデラック! と思った次第です。
このように、キャデラックXT4は存在感がありながら普通のSUVサイズで、使い勝手がよいクルマといえそうです。
ガソリン車としてみれば燃費は悪くない
エンジンは2L 直4ターボ型。最高出力は230馬力、最大トルクは35.6kgf・mと、近年の欧州車や某TYPE-Rと比べると見劣りするものの、必要にして十分なスペックです。
これを9速ATと組み合わせて、四輪に動力を伝えます。
スペックシートを見ると、米国EPA値でシティーが23mpg(約9.8km/リッター)、ハイウェイが28mpg(約11.9km/リッター)とのこと。ということで、2WDモードで都内の一般道を走ったところ、6.2km/リッター。ハリヤーのハイブリッドは都内でもリッター10kmは走るので、白旗を挙げざるを得ないのですが、純ガソリンエンジン車としてみると、キャデラックXT4の燃費は普通より少し悪い程度です。
言い換えるなら、日本のハイブリッド車が燃費オバケで、キャデラックに限らず、程度の差はあれど輸入車は大きく見劣りします。
高級感はあるけど左ハンドルしかない
XT4の車内を見てみましょう。大きなドアはサイドシルまで囲っているので、雨の日にロングスカートやパンツの裾が濡れるのを防いでいます。アメリカの人は、細かなところまで気が利くなぁと感心します。
後席は広く、足元もゆったり。四輪駆動車なのに床面がほぼフラットであることにも驚かされました。本革シート(一部は人工皮革)は肉厚で、欧州車に比べるとシッカリ感があります。グッチやルイ・ヴィトンなどの欧州ブランドと、COACHの違いにも通じるものを感じます。
USBポートは、Type-AとType-Cを各1系統用意。エアコン送風口には温度調整機能も用意されており、後席に座った人に快適さを提供します。
運転席を見ると、イマドキの33インチカーブドディスプレイのメーターパネルが目を惹きます。それ以上に「左ハンドルなのか……」とも。キャデラックXT4に限らず、キャデラックのガソリンエンジン車は右ハンドルの設定はありません。そもそも、本国では右ハンドル車を作っていないのです。
左ハンドルは慣れれば大したことないのですが、一番困るのが時間貸し駐車場でのパーキングチケットや決済で、いちいちクルマを降りないといけません。簡単に「右ハンドルを用意すればいいのに」と思うのですが、自動車工場を見学すると、右ハンドルと左ハンドルの混合生産は大変であること実感します。
米国大統領が日本でクルマを売りたいけれど、ハンドル位置を変えたくない。一見矛盾する話です。でもチャンスはありました。今から80年前、コーンパイプを加えた連合国軍最高司令官が日本を統治していた時に、日本を右側通行にすればよかったのです。
日本が左側通行なのは、江戸時代の「武士が左腰に刀を差していたため、すれ違う際に鞘がぶつからないように左側通行していた習慣」が起源なのだとか。そういわれてみると、カウボーイが腰に下げる銃の位置は右側ですね。
話をクルマに戻しましょう。ナビはスマホを利用。Apple CarPlay、Android Autoの両方に対応します。ですがワイヤレス接続には対応していません。USBポートはアームレスト内に用意されており、コネクターはType-AとType-Cを用意。実際使ってみたのですが、残念ながらフルスクリーン表示はしないようです。
スマホトレイはアームレスト前方に配置。ワイヤレス充電に対応しており、斜めに差し込んで固定します。これは意外と使いやすかったりします。
運転支援はアダプティブクルーズコントロール、カメラビューなど現代的な機能を網羅。
見た目からは想像できない
スポーティーさと快適さ
乗って最初に驚いたのは、意外とスポーティーであるということ。結構、気持ちのよいエキゾーストを奏でて、トルク優勢の走りでクルマがガンガン前に進みたがります。でありながら、エンジンは静かで滑らか。アイドリングストップからの復帰もショックがほぼなく、とても快適です。
駆動系も印象的ですが、まるで路面を滑るような足にも驚き。適度な硬さを残しつつも、基本的には柔らかい傾向。これが日本の道に意外とマッチしており、硬質なドイツ車よりコッチの方がイイ、という人もいるかもしれません。
2WDと4WDの違いも明確。さらに言えばスポーツモードなどの違いもかなり明瞭で、可変ダンパーゆえか足も一気に引き締まる。ワインディングはAWDモード、街中はツーリング(2WD)モードと積極的に使い分けて楽しみたいところ。あと、意外にもスポーツの方が街中ではドイツ車的な硬さで走りやすい時もありました。
ルームミラーはカメラ式で、シートはほぼフルフラットにできるなど、触れれば触れるほど、乗れば乗るほど、「キャデラック、結構いいじゃないか」というのが正直な感想。トランプ大統領が色々いうものだから、食わず嫌いになったり、偏見を抱くのは仕方がないですが、でも触れてみるときっと考えが変わると思います。
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