アウディから新しい電気自動車(BEV)「A6 e-tron」が登場しました。新世代のBEV用プラットフォーム「PPE」を用いた本機は、一充電あたりの最長走行距離は769km。
アウディ流のEVグランドツアラー
A6スポーツバックe-tronは、同社の新世代ミドルモデルのひとつ。A5と同等クラスの電気自動車というポジションになります。アウディは2023年にBEVは偶数、ガソリンエンジン(ICE)は奇数という新しい命名法を提唱したのですが、これが不評で撤回。2025年に欧州デビューした新型A6にはエンジンが積まれています。ですので本機はA6 e-tronという名前なのです。
ボディーサイズは全長4930×全幅1925×全高1470mmでホイールベースは2950mm。その数字通り、やや大柄の印象を受けます。ホイールベースが長いので、最小回転半径は5.7mですが、6mを切っているので思ったよりは曲がるという印象もあります。ボディータイプは写真のクーペタイプ(スポーツバック)のほか、アヴァント(ステーションワゴン)の2種類を用意。アウディのBEVでステーションワゴンタイプは本機が初めてとなります。
モーターを確認しようとフロントボンネットを開けると、そこにあるのは収納スペース。普通充電の電源ケーブルを収納するのに便利です。
充電ポートは左右に配置されています(右が普通充電、左が急速充電)。日本仕様は出力135kWまでの急速充電に対応します。搭載するバッテリーの総電力量は全グレード共通で100kWh。ユーザーが使用可能な実容量(ネット値)は94.9kWhとなっています。
大容量の荷室で実用性十分!
荷室はコンパクトSUV顔負けの5人乗車時で502リッター(VDA計測値)。4:2:4分割のリアシートを倒すことで1330リッターまで拡張が可能です。荷室のフタを開けるとサブウーファーが顔をのぞかせます。これだけの容量があれば、家族で長期間旅行に行っても困ることはないでしょう。
後席は前後方向の広さはありますが、クーペスタイルであること、そして床面にバッテリーを置くことからか、上下方向はそれほど高さの余裕はない雰囲気。大柄の人が乗ると、ちょっと窮屈な印象をうけるかも。この辺はアヴァント(ステーションワゴン)なら、そのような印象は少なくなることでしょう。
先進の3画面ディスプレイと
進化したバーチャルミラー
運転席と助手席には、運転席に11.9インチ、センターに14.5インチ、そして助手席にオプションの10.9インチという、3枚の液晶がならびます。
センターモニターはナビのほか、各種車両設定の変更が可能。従来のアウディとは異なる新しいグラフィックは見やすい印象を受けます。
助手席側のモニターでは、ナビゲーション設定のほかYouTubeなどのエンターテインメントも楽しめます。ちなみに運転席側から助手席側の映像を見ることはできません。
運転席側ディスプレイは様々な表示内容が変更可能。なのですが、従来のアウディの美質であったマップ表示機能はなくなったようです。その事を車両に詳しい担当者に尋ねたところ、テスト車両にはないものの、ソフトウェアの更新などで表示できるかもしれないとのこと。とりあえず、なかったということはお伝えします。
回生ブレーキの強さは、通常は0m/s2(コースティング)から-1.5m/s2の間で自動制御されます。シフトパドルの操作によって0m/s2、-0.6m/s2、-1.5m/s2、と段階的に調整することもでき、さらに-2.5m/s2でクリープもない、完全なワンペダル走行も可能。
車両にはオプションである後方を視認するサイドミラーの機能を、カメラとディスプレイに置き換えた「バーチャルエクステリアミラー」(27万円)が装着されていました。バーチャルエクステリアミラーは初期のe-tronにも採用されていたのですが、こちらは2世代目として動きがスムーズになった印象。
メリットとしては夜間の視認性向上と空力効果が得られるそうですが、モニター位置が個人的には見づらかったです。「Honda e:」や「アフィーラ1」のように、もう少し運転席側に寄せた方が見やすいように感じました。
センターコンソールはスッキリとした印象。USBはType-Cで、Apple CarPlayとAndroid AUTOに対応しています。
【まとめ】ロングドライブを楽しみたい人にこそ選んでほしい1台
標準では19インチホイールですが、試乗車はS lineパッケージが奢られ、20インチホイールにインチアップしていました。ちなみに、タイヤサイズ前が235/45R20、後ろが265/40R20と、結構ペッタンコです。
さらに試乗車にはラグジュアリーパッケージというアダプティブエアサスペンション+デジタルOLEDリアライト+イルミネーテッドAudi ringsリア+パワークロージングドア(55万円)が取り付けられていました。このうちのアダプティブエアサスペンションが本当に素晴らしく、乗り心地が最高のひとこと! 路面の衝撃などをあまり感じず、それでいて地に足がついた安心感。まさに理想的な乗り心地と乗り味。A6 e-tronを選ぶなら、この足はマストアイテムといえそうです。
最高出力367PSの後輪駆動車というスペックは、ワインディングロードを楽しむのに十分。四輪駆動でもFFでもないアウディはとても新鮮です。
いつまでも乗っていたい、運転したいと思わせるA6 e-tron。そして、標準で700km以上、オプションを選べば800km以上走行できること、何より荷室の広さから、ロングツアラーにピッタリといえそうです。
「電気自動車は充電が……」という人にこそ、この素晴らしい1台に触れてもらいたいと、運転しながら切に願いました。
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