4月12日に開幕を迎える、2026年のSUPER GTシリーズ。開幕に向け、岡山国際サーキットと富士スピードウェイで公式テストが行なわれた。

昨年の王者トヨタに対して、体制を絞り一極集中に踏み切ったニッサン。シビックからプレリュードにマシンチェンジし、王者奪還を狙うホンダ。加えて、さまざまなマシンが争う群雄割拠のGT300クラス。


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今週末の4月12日に開幕を迎える2026年のSUPER GTシリーズ

 低速と高速の2つのサーキットで行なわれたテストから、今シーズンのタイトルの行方を考えていこう。


王者トヨタ、絞るニッサン、新車ホンダ
三つ巴のGT500クラス

 メインクラスとも言えるGT500は、すべてのチームがメーカー直轄のワークスチームだ。トヨタ、ホンダ、ニッサンの3メーカーが威信を賭けてタイトルを争っている。トヨタは前年同様スープラを使用し6チーム、ニッサンも昨年から使用しているフェアレディZで3チームが参戦。ホンダは新型プレリュードにマシンチェンジし、5チームを出走させる。合計14のワークスチームがチャンピオンシップを争う。


ホンダの新車「プレリュード」投入で勢力図はどう変わる? SUPER GT 2026の開幕直前見どころレポ
今シーズンも好調をキープする前年王者のTGR TEAM au TOM'SのTOYOTA GR Supra(GT500)

 両テストのタイムを参考にすると、今シーズンもかなり拮抗したシーズンになりそうだ。岡山、富士ともに昨年のチャンピオンチーム「TGR TEAM au TOM'S」を筆頭として、トヨタ勢が好調をキープしている。


 特に昨年のチャンピオンコンビ坪井 翔、山下健太を擁するTOM'Sは早い段階で、ロングランテストに入るほど安定したスピードを得られているようだ。坪井選手自身も「テストなので他車と非比較するのは難しいですが、感触は良いですね」と自信をのぞかせている。


 ニッサン勢は昨年から1台減らした事で、データ収集という意味では苦しい面もある。テストだけを見れば若干厳しいシーズンインとなっているが、岡山テストではKONDO RACINGがトップタイムをマークするなど気を吐いている。


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岡山ではトップタイムを記録したKONDO RACINGのNissan Z NISMO

 テストのデータから予想すると、Zは岡山や菅生、オートポリスといったテクニカルなサーキットで強みを見せそうだ。ニスモは比較的短めのレースを得意としているのも、今年のレースフォーマット(全8戦のうち6戦が300kmレース)にマッチしている。


新車「プレリュード」のポテンシャルと
鍵を握る“年間1基”のエンジン制限

 ホンダは、シビックからプレリュードにマシンをチェンジして2026シーズンに挑む。新設計のマシンではあるが、エンジン自体は昨年までのシビックと同じものを使用している。そのためエンジン自体の信頼性は問題なし。


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今シーズンから投入されたHonda HRC PRELUDE-GT

 しかし、空力は新設計と言うことでまだまだ詰める余地がありそうだ。特に富士のようなストレートの長いサーキットでは、空力が大きく影響してくる。ドラッグが多いと噂される新車は、トップスピードの伸びに苦しみそうだ。空力の最適化は早急に進めなければならない重要なパートと言える。それでも高速サーキットでARTA MUGENがトップタイムを出せたのは、基本性能の高さを物語っている。


 プレリュードの印象について17号車「Astemo REAL RACING」に新加入の野村勇人選手に聞いてみた。

「今シーズンから、年間通して1基のエンジンしか使えません。その影響もあってか、エンジンパワーに関しては最適値を模索中ですね。エンジンについては今後に期待しますが、このマシンは旋回性が高いことが強みだと思います。とにかくフロントの入りが良いので、コーナー侵入時のストレスがありません。そのぶん、アクセルを早く開けられるので、最高速地点に到達するのが速いのが良いです。乗っていて、気持ちの良いマシンですね」と前向きなコメントを残した。


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Astemo REAL RACINGのプレリュード

 トヨタ、ニッサンは昨シーズン以前から、同じ車体を使用しているため走行データが豊富にある。そのため走り出しから、ある程度のタイムが望めるので当然の結果と言えるだろう。対し今シーズンから新車を投入したホンダは、使えるデータが限られている。春先のテストでは、他メーカーに対し一歩引けをとってしまうのは仕方のない事だろう。


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 シーズンを通して、従来の2基から1基のエンジンしか使えなくなった2026シーズン。パワーを上げ過ぎれば、耐久面に不安が出る。

かといって抑え過ぎれば、戦闘力が落ちてしまう。ちょうど良い塩梅を見つけ出すのも、今シーズンを戦う重要なファクターになりそうだ。


世界のスポーツカーが集結するGT300
今年が最後の「タイヤ戦争」に

 GT300については、国内外問わず多くのカーメーカーが参戦している。基本的には、市販されているレーシングカーが主軸のカテゴリーだ。ニッサンGT-RやホンダNSXなどの国産スポーツカーに、フェラーリやランボルギーニ、ポルシェやメルセデス・ベンツと言った欧州のスポーツカーがずらりと並ぶ。今シーズンはBMWが復帰したことで、世界の主要スポーツカーメーカーが集結した感がある。


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GT300のベンチマークとも言えるMercedes AMG GT3
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フェラーリとランボルギーニのイタリア勢も5台に増えている

 このクラスに関しては、どこかのメーカーが突出してタイムを出している印象はない。どのマシンがタイムを出しても不思議ではない状況だ。15台以上のマシンが1秒以内に収まっていることが、マシン性能の拮抗を証明している。この現象に関してはマシンの性能をある程度そろえる、BOP(バランスオブパフォーマンス)というレギュレーションによるところが大きい。


 マシンパフォーマンスを揃えることで、レース自体をよりエキサイティングなものする。そのために生まれた世界的なレギュレーションで、正しく機能することでタイムはある程度均一化させることができ、一人勝ちを防いて各チームにチャンスをもたらす。レースをエンターテイメントとして、楽しむための規則と言ってもいいだろう。


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昨年から参戦のポルシェに加え、BMWも復帰を果たし、3大メーカーが揃うドイツ勢
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 そして、マシン性能が規制されることで、重要度が増すのがタイヤの性能だ。昨シーズンまではブリヂストンタイヤのパフォーマンスが一歩抜け出た印象だったが、テスト結果を見る限り差は詰まっているようだ。タイヤに関してはグリップ以外にも、耐久性などの要素が大きい。そのため、こればかりはレースが始まってみないとわからない。


 さらにGT300クラスは来シーズンからワンメイクタイヤになるため、性能が揃うことになる。逆に言えば、今年が最後のタイヤ戦争というわけだ。


 春に行なわれた2回のテストからは、どちらのクラスも接戦が見込まれるということがわかった。そして、新たに参戦したチームやマシンが、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、さらに新加入した若き才能たちが、どんなレースを見せてくれるのかが非常に楽しみなシーズンになりそうだ。


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■筆者紹介───折原弘之

 1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。

1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。2012年より日本でレース撮影を開始する。


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■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー


■写真展
The Eddge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン


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