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宰相の椅子をめがけて駆け上がっていくまでの栄光の道のりと、その後、さまざまな疑惑が吹き出して裁判の被告人となり、そして「闇将軍」として復権を狙い、永田町に君臨しつづけたあげくに、竹下登や金丸信らに独立され、失意のうちに病に倒れるという人生は、多くの日本人をいまだに惹きつけてやまない。
ロッキード事件で被告人となり、金権政治の権化とマスコミから批判された田中が、その一方で「昭和の豊臣秀吉」、「今太閤」などと称され、庶民出身の宰相として愛されつづけたのには、一度接した人がすべてファンになると言われるほど、大きな魅力を備えた人間通だったからであろう。(中略)
なぜ、人々がいまも田中角栄の人生に興味を持ちつづけるのか。
わたしは、ある意味で、田中角栄が活躍した「昭和」が人々の記憶のなかで、はるか昔になり、ひとつの歴史になってきたからだと思っている。(本書「あとがき」より)
田中角栄について、石破茂は「魔人」と敬畏し、大平正芳は「霊能師」と慄き、石原慎太郎は「天才」と讃えた。
なぜ、田中角栄はこれほど大きな存在なのか──昭和という時代を突き動かした「オヤジさん」と呼ばれる最後の政治家の、成功と挫折をたどる一代記。
■『語り継がれる田中角栄 昭和の天才政治家の肖像』概要
判型 :四六判
ページ数 :497ページ
定価 :2,200円(税込) 本体2,000円+税
著者 :大下英治
<目次>
●プロローグ 語り継がれる田中角栄
「この人は人間ではない」という印象/政治手法は「和をもって尊しとなす」からくる「足して二で割る」/組織された少数は、無組織の大衆を支配する/情、情報、カネ、人脈をすべて持ち合わせている/三十三件の議員立法を実現/「彼のような天才が政治家として復権し未だに生きていたなら……」
●第一章 政治家前夜 上京・独立・結婚・徴兵・病気
内気ないじめられっ子が学芸会で吃音を克服/練りに練った文章で卒業式の答辞/生まれて初めての本格的労働「土方は、一番でけえ芸術家だ」/上京も書生をあきらめ住み込みで働く/前世からの縁で結ばれている気がした出会い/一本立ちして「人の十倍、燃えてみせる!」/入隊と入院、妹の死/結婚と三つの誓い、業務を引き継ぎ起業/大型工事のため朝鮮に出かけるも敗戦により引き揚げ/「日本の土建業界を牛耳ろうではないか!」
●第二章 政界入り後のつまずきと飛躍 落選・当選・逮捕・獄中立候補・初入閣
政治家との繋がり/説得され衆議院総選挙に出馬「若き血の叫び」/越山会の幹部となる人たちとの邂逅も落選/「失敗は次の成功のためにある」二回目の立候補で当選/吉田茂の総裁引退が取りやめになった一言/炭鉱国管疑獄で逮捕されるも獄中立候補し再選/「越山会」の原型となる選挙運動/議員立法した「道路三法」による日本再建/三十九歳で郵政大臣となりテレビ局の認可を進める/目標を幹事長に定め他派閥にもシンパづくり
●第三章 政治の中枢へ 政調会長・大蔵大臣・幹事長
政調会長として日本医師会と渡りあう「紙一重、ひっくりかえせば、狂気という男」/大蔵大臣に就任「責任のすべてはこの田中角栄が負う」/幹事長に就任/エリートコースを歩んできた福田赳夫に闘志を剥き出す/危機一髪、官房長官をまぬがれる/「都市政策大綱」を発表/再度幹事長に就任し大学紛争の混乱を収束させるために法案を通す/「金はもらうときより、渡すときのほうに気をつけろよ」/小沢一郎の初当選/十七人の「田中派の初年兵」
●第四章 総理大臣への道程──角福戦争 日米会談・『日本列島改造論』・田中派旗揚げ
角福戦争の前哨戦/政権は力で勝ち取るしかない!/参議院改革で重宗王国を切り崩す/通産大臣就任もいよいよ正念場に/リーダーが部下を仕込む手法/魔の日米繊維交渉/二面作戦で合意を得る「そんじょそこらの人じゃない」/血肉化している国土開発に懸ける思い/総裁選に間に合わせるために国土開発の政策の出版を急ぐ/気配りの人/佐藤・ニクソン会談でくり広げられた大政治ドラマ/ニクソン大統領に自分を売りこむ/『日本列島改造論』の入稿/グッドタイミングでの出版/田中派の旗揚げ/「大平と田中は死ぬまで一本である」大平派との盟約/小佐野と佐藤とは切っても切れぬ関係/三木派も加わり三派協力体制/決戦の火蓋、
佐藤総理の引退表明/隠し玉の中曾根派/「少ない……」読みが外れた総裁選/決選投票で若い苦学力行型の宰相が誕生
●第五章 「今太閤」としての政治 日中国交正常化・日ソ共同宣言・石油ショック
田中内閣の発足と友情のメダル/日中国交正常化は「非常に高度な政治判断」/周恩来との首脳会談/思いもよらぬ「尖閣諸島について……」/毛沢東との会談「もう喧嘩はすみましたか」/大平にあえて花を持たせる/「血の小便が出る思いだったよ」/北方領土問題を認めさせた日ソ共同声明/第四次中東戦争の勃発と「石油ショック」/小沢一郎の結婚/「越山会の女王」の苛立ちに「約束どおり世界旅行に連れていくから」/諫言が的中「打開する道はない」/国際的な話題となった「金脈問題」/辞意の表明「沛然として大地を打つ豪雨に心耳を澄ます思い」/五者会談で「青天の霹靂だ!」
●第六章 ロッキード事件の波紋とキングメーカーの誕生 逮捕・批判・盟友の死
「ロッキード事件」の発覚/「田中角栄逮捕される」/解散しないことを約束し臨時国会召集/ロッキード選挙と小沢一郎の覚悟/いつものとおりトップ当選/田中軍団の田中への恐れ/「おれひとりぐらいオヤジといっしょにいてやりたい」/福田打倒、大平擁立の「大角連合」/田中派の秘書軍団の結束/後藤田正晴の活躍で現職の自民党総裁が初めて総裁選で敗れる/田中の凸型と大平の凹型「友情を超えた盟友関係」/「四十日抗争」と福田への批判/盟友・大平総理の死
●第七章 復権を望んで派閥統括 世代交代・実刑判決・最高得票
金丸の成長と「世代交代論」/鈴木善幸を擁立/「木曜クラブ」で公然と活動を再開/みずからの権力の座を脅かす後継者の成長と追いあげを阻もうとする手法/「宗旨替えだ。竹下は、担がない」「七十歳まで、引退しない」「オヤジはおれたちのムラからはけっして総裁候補を出さないつもりだな」/中曾根が総理なら世代交代の流れはすすまない/「田中曾根内閣」の発足/石破二朗との深い信頼関係/石破茂を政治の道へと導く/派閥選挙の手伝いがかけがえのない財産に/どんな人とも即座に共鳴しあえる大きな共鳴箱/「生ある限り、国会議員としての職責を遂行する」/「田中判決選挙」に突入/「これが、世論の結論だよ。わが生涯最高の日だよ!」/児玉誉士夫と小佐野賢治の顛末/石破茂の初当選
●第八章 裏切りと怒り 創政会旗揚げ・派閥の瓦解・酒びたり
「おれたちは、また他派の神輿を担ぐのか」/「将来の展望がまったくなければ、派閥はもたない」十四人の決意/創政会と竹下内閣実現のための算段/すでに賽は投げられた/「竹下君は、神輿に乗った」/創政会のメンバー勧誘/食うか食われるかの闘い/冷静さを失い烈火のごとく怒る/発会式の日の夜明け近くまでおよんだ多数派工作と切り崩し工作の攻防/半分以下になった旗揚げとその受け止め/「オヤジさんは、自信過剰だったのかもしれないね」/金丸包囲網/「われわれは同心円で行こう」/精神的に脆い面を秘めていて酒びたりに/「土の上で起きていることで、なんとかならねえものはねえよ」/「竹下憎し」と羽田の妙な胸騒ぎ
●第九章 闇将軍の支配の終焉をめぐって 脳梗塞・右翼団体・暴力団・死
脳梗塞で倒れる、「田中支配」の終焉/刎頸の友のリハビリ計画/田中派内の紛糾と創政会の会合延期/右翼団体の竹下総裁候補への「ほめ殺し」/暴力団組長に仲裁を依頼/竹下の目白訪問と中曾根裁定/「オヤジが、死んじまった……」/越山会女王の悲しみ/「もし田中の角さんだったら、もっと手際よくやるぞぉ!」長蛇の列ができた葬儀/カリスマ性とリーダーシップを具えた「オヤジさん」と呼ばれる最後の政治家/「ママ」の死
●エピローグ 現代の政界でも活躍しづつけている田中角栄の遺伝子
石原慎太郎の角栄評価の変化/「田中角栄ならバァーッと思いついてやっているよ」/「幹事長は裏方、至高の幹事長は田中角栄先生」/二階俊博の幹事長在職日数の記録更新/地方分権・地方創生の重要性を説く石破茂/田中角栄の遺伝子
●あとがき
●関連年譜
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田中角栄評
■著者プロフィール
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著者近影
著者:大下英治(おおした えいじ)
1944年6月7日、広島県に生まれる。1968年3月、広島大学文学部仏文科卒業。1970年、週刊文春の記者となる。記者時代「小説電通」(徳間文庫)を発表し、作家としてデビュー。さらに月刊文藝春秋に発表した「三越の女帝・竹久みちの野望と金脈」が反響を呼び、岡田社長退陣のきっかけとなった。
著書は、『十三人のユダ 三越・男たちの野望と崩壊』『美空ひばり・時代を歌う』(以上、新潮社)、『闘争! 角栄学校』(講談社)など五〇〇冊以上にのぼる。
近著に『小泉純一郎と安倍晋三 超カリスマの長期政権』『ダイエー中内功とダイソー矢野博丈 流通革命の旗手』『「政権奪取」 小沢一郎、三度目の挑戦』(以上、東峰書房)、『週刊文春 トップ屋魂』(清談社Publico)、『任侠映画伝説 高倉健と鶴田浩二(上・下)』『自民党大乱』(さくら舎)、『安藤昇 侠気と弾丸の全生涯』(宝島社)、『高市早苗 愛国とロック』(飛鳥新社)がある。
■発行:株式会社東峰書房 会社概要
(1)商号 :株式会社東峰書房( https://tohoshobo.info/ )
英名 :TOHOSHOBO INC.
(2)代表者 :代表取締役 鏡渕 敬
(3)本店所在地 :東京都新宿区新宿4-2-20
(4)主な事業の内容:ビジネス書の出版
(5)資本金 :3,500万円