奈良県の小学生における自転車事故の状況を見ると、中学年になると事故件数が増加し、歩道上での事故も発生しています。
講師の遠藤 まさ子氏(自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト)は、自転車の安全性、自転車を取り巻く法律、リスク予測・技術力の向上などの自転車通学指導のポイントを挙げ、全国で実施されている取り組み事例を具体的に紹介しました。また、事故を減少させるポイントとして「学校、家庭、子ども同士だけでなく、地域の第三者の存在も重要です。周囲の協力が事故防止にも効果的です。」と述べました。さらに、2026年4月より施行予定の16歳以上を対象とする「青切符制度」についても解説。「ながらスマホ」による自転車事故の件数やその危険性を紹介し、実際の映像を通じてそのリスクを体感できる動画も紹介しました。
これを踏まえ、中学生のうちから交通ルールを確実に守ることの重要性についても強調しました。
生徒が加害者になってしまう事故に関しては「交通ルールの知識だけではなく、それがなぜ必要なのかを伝えていくことが大切です。特にイメージしづらい事故の加害者となるケースについては、リアルな情報を伝えることで重大性の理解につながります。」と解説しました。
さらに、自転車自体の安全性について指導していくことの重要性に触れ、「安全基準をクリアしたBAAマークの貼られた自転車を選ぶことや、日ごろのメンテナンスの重要性を指導していくことで、事故を未然に防ぐことができます。」と説明しました。
講演後には、「知っておけば事故が減らせる交通ルールとは」、「自校で実践している交通指導と生徒家庭(保護者)への理解を深める方策」について、各校の教職員による意見交換と発表が行われました。
交通ルールだけでなく自転車自体の安全性についても改めて理解いただき、他県の指導事例をもとに教職員の皆様が自転車通学の安全指導について考える機会となりました。
【参加した教職員の感想】
・自転車が「乗り物」であるという意識を再確認し、交通安全教育の必要性を感じました。今日の講演を今後に役立てたいと思います。
・安全性の高い自転車を選ぶ視点や、日々の点検の重要性について改めて気付き、今後の指導に役立てていきたいと思いました。
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当日の様子1
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当日の様子2
■参考資料
≪講師略歴≫
遠藤 まさ子
自転車の安全利用促進委員会メンバー/自転車ジャーナリスト
自転車業界新聞の記者や自転車専門誌の編集などを経てフリーランスへ転向。自転車・育児用品を中心に取材を行い各誌に寄稿。自転車の中でも子ども乗せ自転車、幼児車、電動アシスト自転車を得意とし、各種メディアで自転車の利活用、安全指導等解説を行う。
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遠藤 まさ子
≪自転車の安全利用促進委員会≫
自転車の安全利用促進委員会とは、一般社団法人自転車協会の協力を受け、安全安心な自転車利用のための啓発活動を行う団体です。自転車の利用者の方々に快適な自転車生活を送っていただくため、購入時に知っておくべき自転車の選び方から購入後のメンテナンス、正しいルール・マナーなどの情報発信を行っています。また、活動の一環として教職員や学生を対象とした、自転車通学指導セミナーも全国で開催しています。
https://jitensha-anzen.com/
≪BAAマーク≫
BAAマークは、一般社団法人自転車協会が定める自転車安全基準に適合した自転車に貼られています。自転車安全基準には全部で約90項目の検査項目があり、ブレーキ制動性能、フレーム・駆動部の強度、ライトの光度、リフレクターの反射性能などの検査に合格する必要があります。
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BAAマーク
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BAAマーク2