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海南市冷水地区の様子
近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)人間環境デザイン工学科助教 林和典ゼミは、令和7年(2025年)8月22日(金)、和歌山県海南市冷水(しみず)地区にて、地域住民参加のもと、学生が考案した夜間避難訓練「協力型ナイトエスケープゲーム」を実施します。
【本件のポイント】
●「夜間にも訓練をしたい」との住民の声を受け、夜間避難訓練「協力型ナイトエスケープゲーム」を考案
●幅広い年代の住民が参加できる地震と津波の発生時を想定したゲーム型避難訓練
●住民同士が協力して参加することで、地域全体の共助意識の向上と防災力の強化を目指す
【本件の内容】
近畿大学生物理工学部の林ゼミでは、建築やまちづくりに関する研究を行っており、特に空き家や防災といった社会基盤をテーマに、地域課題の解決に取り組んでいます。
北原さんは、空き家の有効活用に関する研究を深めるため、この地区に令和7年(2025年)6月から住み込んで調査を行っています。また、和歌山県海南市冷水地区が位置する紀伊半島は、南海トラフに近く、地震発生から津波が到達するまでの時間が非常に短いという特性があります。住民の方々と直接関わる中で、「夜間にも避難訓練をしたい」という声を聞いたことが、この企画のきっかけとなりました。
この訓練では、小中学生から高齢者まで幅広い年代の住民が対象となっていることから、楽しみながら避難行動を学べるよう、ゲーム形式を採用しました。参加者は3~4人の異世代チームで行動し、1人は負傷者役として参加します。災害時に起こり得る"想定外"を少しでも"想定内"に変えるため、夜間の避難経路を実際に歩いて事前に確認することが目的です。出発地点の冷水集会場から国道42号までのルートを進みながら、カードやコーンで表示された石積みの崩落や落下物、火災などを想定した障害に、自ら持参した災害救援グッズを使って対応しながら進みます。訓練にはスコア制度を導入しており、到着順位や危険箇所の発見数に応じて加点される一方、装備不足やルール違反には減点が課されます。安全面に配慮し、体調不良者対応班を配置するほか、スタッフが各所に待機。各チームはウェアラブルカメラを装着して行動を撮影し、研究のための記録・検証に活用します。
実際の避難ルートを使うことで、参加者がリアルな災害状況を想定し、的確な判断力や行動力を養うことができます。
【実施概要】
日時 :令和7年(2025年)8月22日(金)18:00~20:00(少雨決行)
場所 :和歌山県海南市冷水地区(冷水集会場集合)
(和歌山県海南市冷水325-31、JR紀勢本線「冷水浦駅」から徒歩約4分)
参加予定:冷水地区の住民(20人程度)
近畿大学生物理工学部人間環境デザイン工学科 4年 北原剛志さん
近畿大学生物理工学部人間環境デザイン工学科 林ゼミ学生 2人
【実施内容】
18:00 集合・訓練説明(チーム編成、役割決定、避難グッズ確認)
19:00 避難訓練開始(冷水集会場スタート → 線路下トンネル → 国道42号手前ゴール)
20:00 チームごとに感想共有
【ゲーム考案した学生のコメント】
生物理工学部人間環境デザイン工学科 4年 北原剛志さん
実際に住民の方から「夜の訓練をやってみたい」という声があり、それが今回の企画につながりました。地震は夜間にも発生する可能性があるため、より現実に近い形での夜間避難訓練を想定しています。また、避難訓練というと堅苦しいイメージがありますが、楽しさと実践性を取り入れることで、参加しやすいものにしたいと考えました。さらに、地域の特性をふまえた内容にすることで、より実効性のある訓練となっています。今後は住民参加型の実践的な減災マニュアルを整備し、ほかの地域への展開を目指します。
【関連リンク】
生物理工学部 人間環境デザイン工学科 助教 林和典(ハヤシカズノリ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/2928-hayashi-kazunori.html
生物理工学部
https://www.kindai.ac.jp/bost/