アシストスーツメーカーの株式会社ダイドー(大阪府河内長野市、代表取締役社長:追田 尚幸)は、株式会社関電工(東京都港区、取締役社長:田母神 博文)と株式会社ニシヤマ(東京都大田区、代表取締役社長:西山 正晃)とともに、配電工事特有の複合的な動作に対応した、「複合動作アシストスーツ」を開発しました。

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間接活線作業

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張線作業

■開発の背景:社会インフラを支える現場の喫緊の課題
日本の建設業界、とりわけ社会インフラを支える配電工事業界では、少子高齢化に伴う労働人口の減少と作業員の高齢化が深刻な課題となっています。
特に、電柱上や高所作業車内で行われる架空配電工事は、腕を上げ続けたり、ひねったり、引き寄せたりといった複雑な動きが連続する作業であり、作業員の身体に大きな負荷をかけます。既存のアシストスーツは、荷物を持ち上げるような単純な上下方向の動作補助が主目的であり、配電工事特有の「複合動作」には対応できず、現場の真のニーズを満たす製品が存在しない状況でした。


■ソリューション:独自の「複合動作」アシスト技術と共創による製品開発
この課題を解決するため、ダイドーの持つアシストスーツ技術と、関電工が持つ配電工事現場の深い知見を融合させ、本製品は開発されました。
「複合動作アシストスーツ」の最大の特徴は、腕の「上げ下げ」「ひねり(外旋)」「曲げ伸ばし(伸屈)」という三つの動きを、ばねやショックコードを用いた独自の非電動・機械式機構で統合的にアシストする点にあります。
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複合動作アシストスーツ

これにより、ホットスティック(絶縁操作棒)の操作や腕金の取り付け、張線作業といった、これまでアシストが困難だった複合的な動作において、作業員の身体的負荷を大幅に軽減します。
動力に電力を使用しないため、軽量(約2.5kg)であると同時に作業環境に囚われず使用が可能です。
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支持腕金装柱作業

■「技能習熟支援」の期待:科学的検証が示した「技能習熟支援」という新たな価値
本製品の効果は、東京電機大学 人間支援工学研究室との共同研究によって科学的に検証されています。
筋電位計測やモーションキャプチャを用いた分析の結果、特に経験の浅い若手作業員において、アシストスーツ装着時に効率的で安定した動作フォームが維持され、疲労につながる筋活動のばらつきが抑制されることが確認されました。

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モーションキャプチャ 図

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筋電位計測図

これは、本製品が単なる筋力補助具に留まらず、熟練技術者が持つ疲れにくい身体の使い方を若手作業員が早期に習得するのを助ける「技能習熟支援ツール」としての価値を持つことを示唆しています。これにより、人材育成の効率化や、長期的な安全確保への貢献が期待されます。


■製品仕様
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複合動作アシストスーツ(2)

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複合動作アシストスーツ(3)

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複合動作アシストスーツ仕様図

■作業事例
・間接活線作業
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間接活線作業

・支持腕金装柱作業
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支持腕金装柱作業

・張線作業
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張線作業

・掘削作業
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掘削作業

■JECA FAIR 2025にて資料ダウンロード数がトップ5にランクイン
先日開催された日本最大の電設工業展「JECA FAIR 2025」のオンライン展示では、全出展者の中で資料ダウンロード数がトップ5にランクインしました。この結果から、本製品が市場投入前から業界内で極めて高い関心を集めていることが示されました。



■本件開発 参画企業
(開発・導入) 株式会社関電工 社会インフラ統轄本部 技術企画部/架空配電部
〒108-8533 東京都港区芝浦4-8-33

(開発・販売) 株式会社ニシヤマ エネルギーシステム事業部 電力エネルギーグループ
〒143-0016 東京都大田区大森北4-11-11

(開発・製造) 株式会社ダイドー
〒586-0037 大阪府河内長野市上原町250
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