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現場で鹿ソニックを点検する辻特担教授
山梨県の自動車部品メーカー「T.M.WORKS」が開発し、岡山理科大学研究・社会連携機構の辻維周(まさちか)特担教授が効果検証に取り組んでいる高周波音による鳥獣害抑止装置「鹿ソニック」。岡山理科大学と富山県南砺市が共同して今年6月、クマ対策で同市東部にある市立小中一貫校そばに1基設置して以降、装置周辺でクマの目撃はゼロとなっています。
クマが目撃されていたのは、山間部にある同市立小中一貫校「利賀学舎」の周辺です。市側からの要請を受けて今年6月16日、岡山理科大学が同市と共同で、クマにも対応できるよう周波数を調整した新型の「鹿ソニック」1基を校舎の南側約100㍍の道路わきに試験設置。装置上部の4個のスピーカーから高周波音を上下左右各50度、半径100~150㍍の範囲に発射し、クマを寄せ付けないようにしました。児童生徒には耳障りな音となって響くため、午後6時~午前6時まで稼働するようセットしました。
設置後の状況について、田中幹夫市長は「それまで日常的に目撃されていたクマが装置を設置して以来、学校近くでは全く姿が見えなくなって、大きな成果が出ています。子どもたちや地域住民にとっても良かったと思っています」とし、「成果が出たということで次のステップとして、観光客が訪れるような場所へも広げていきたいと考えています」と述べました。
同市の担当部署によると、校舎前に取り付けている、クマを識別するAIカメラも装置設置後は反応していないそうです。
9月1日、現地を訪れて高周波音の発射状況やバッテリーの消耗具合などをチェックした辻特坦教授は「まだ1基だけなので、どこまで効果があるのかは未知数です。学校近くからいなくなったクマがどこに行ったかも見極めないと。取りあえず2カ月半はクマが目撃されていないので、ひとまず現段階でのハードルはクリアしたと言えます」と話しています。
南砺市によれば、同市内のクマの目撃件数は今年1月~8月で64件。人的被害は発生していないそうです。
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高周波音を発射するスピーカーの向きも微妙に調整
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鹿ソニックを設置した場所(人が立っている所)。左奥が利賀学舎の校舎
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設置場所の周囲にはうっそうとした森が広がります
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「明確な成果が出ている」と語る田中市長。右は辻特担教授=市長室で
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南砺市役所の全景
岡山理科大学 : https://www.ous.ac.jp/