天藤真が1978年に発表し、第32回日本推理作家協会賞を受賞した推理⼩説『大誘拐』。82歳の小柄な老婆が国家権力とマスコミを手玉に取って百億円を略取した痛快な大事件を描いた作品だ。

映画化やドラマ化もされた人気作に、2024年に引き続き中山優馬、柴田理恵、風間杜夫、白石加代子が挑む。


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『四人で大スペクタクル』というサブタイトルの通り、多くの登場人物を四人のキャストで演じる本作。冒頭から次々にキャラクターが登場し、キャストが一瞬で違うキャラクターに変わりながらストーリーを進めていく。
白石は多くの人から慕われ、尊敬されている大富豪・柳川家の当主とし子刀自、風間は和歌山県警本部長の井狩などのメインキャラクターを重厚に演じている一方、付き人の紀美、誘拐犯一味の正義と平太などはコミカルさが際立っており、ギャップも楽しい。
柴田はとにかくパワフルでエネルギッシュなとし子の元家政婦・くーちゃんをはじめ、柳川家の使用人やとし子の子どもたちなど数多くのキャラクターをそれぞれ個性的に演じ、物語をカラフルに彩っていた。
そして、とし子を誘拐する健次役の中山は、コテコテの関西弁と派手なファッションでありながら、根の素直さやとし子への思慕が滲む、愛嬌ある青年を好演。とし子の聡明さに驚きながらも犯人として奮闘したり、くーちゃんの勢いに圧倒されたりと、周囲に振り回される様子がなんとも愛らしい。
アドリブシーンでモノマネが始まったり、キャスト本人をネタにする場面があったりと、シリアスな中に挟まるコメディも見どころと言えるだろう。
そして、笑いながら見ているうちに、ド派手でドラマティックな誘拐事件の裏にあるそれぞれの思いや人間ドラマも明らかになってくる。健次がとし子の誘拐を企てた理由、とし子が身代金を100億円にさせた理由、健次ととし子の関係やお互いへの思い、事件を追う井狩の疑問……と、見応えは抜群。
「身代金100億円」という前代未聞の誘拐事件の結末を、ぜひ劇場で見届けてほしい。
本作は2025年10月10日(金)~10月13日(月・祝)まで東京・シアター1010で上演された後、10月に香川、鳥取、岡山、山形、11月に北海道、大阪、愛知、石川、秋田、新潟、長野、神奈川でも公演が行われる。


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<キャストコメント>
中山優馬

『大誘拐~四人でスペクタクル~』いよいよ開幕します。
初演より更にパワーアップしていると感じています。稽古場では大先輩のアドリブ合戦に毎日腹を抱えて笑わせて貰いました。本番は何が起こるんだろう。どんな展開になるんだろう。と、ワクワクドキドキしています。
何十人もの配役をたった4人でドタバタする。まさに大スペクタクル劇です。
大阪出身の僕が関西弁コテコテで関西人の役をやる。これほど幸せなことはありません。関西人のもつギラギラなパワーとバイタリティで本番の一回一回を全力で楽しもうと心に決めています。
スピード感溢れる、そして、心があったかくなるそんなお芝居です。


お楽しみに!優馬、気張ります!


柴田理恵

再演ということで、また新たな気持で取り組んでいます。稽古はとても楽しく大先輩の白石さん、風間さん、そして優馬くんと、あれこれお客様により楽しんでいただけるよう、頑張ります。


風間杜夫

再演を心から望んでいたので、実現できて嬉しいです。
タイトル通り、白石加代子さん、柴田理恵さん、中山優馬くんの4人でダイナミックにお話を動かしていく“大スペクタクル”な舞台です。遊びもあって、振り子があっちこっちに揺れるハプニングがあるけど、最後にはビシッと大筋のドラマがきちんとある。この4人ならではの舞台「大誘拐」楽しんでいただければ幸いです。
今回もはっちゃけるかもしれません。


白石加代子

『大誘拐』の再演は、未知への冒険へもう一度飛び込むような感覚です。共演の皆さんが実に魅力的で、稽古場では驚きの連続、そして笑いが絶えません。お客様にも、ちょっとしたスリルと、人生のユーモアを味わっていただけたら。ぜひご一緒に“誘拐”されにいらしてください。


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<あらすじ>

刑務所の雑居房で知り合った戸並健次(中山優馬)らは、出所するや誘拐の下調べにかかる。

狙うは紀州随一の大富豪、柳川家の当主とし子刀自(白石加代子)。齢82を重ねてなお矍鑠と周りを魅了する女丈夫であるという。実は健次は柳川家が支援する孤児園の出身で、とし子との忘れられない思い出があった。
さて、ある夏の日、健次率いる若者グループにとし子が誘拐される。誘拐の報に、とし子を生涯最大の恩人と敬う、凄腕警察本部長、井狩大五郎(風間杜夫)が捜査に乗り出す。一方、誘拐犯が要求しようとしていた身代金が五千万と知ったとし子は激昂、百億にしろと言い放ち、3人を従え、自ら身代金強奪の指揮をとり始める。まずは、柳川家の家政婦として仕えていたとし子を慕うくーちゃん(柴田理恵)宅に押し寄せ、アジトにしてしまう。かくして4人の役者は揃い、前代未聞の大誘拐劇が繰り広げられる。
さて、とし子刀自の本当の狙いとはいったい何なのか。
この誘拐劇の結末やいかに⁈
身代金も桁違い、破格ずくめの斬新な展開が無上の爽快感を呼ぶ、
抱復絶倒の大誘拐劇。


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<公演概要>

『大誘拐』~四人で大スペクタクル~
原作:『大誘拐』天藤真(創元推理文庫刊)
上演台本・演出:笹部博司
ステージング:小野寺修二
出演:中山優馬、柴田理恵、風間杜夫、白石加代子
日程・劇場:
<東京公演>
2025年10月10日(金)~10月13日(月祝)
シアター1010(東京都足立区千住3−92 北千住駅西口 マルイ11階)
チケット:全席指定 9,800円(税込)
主催:足立区シアター1010指定管理者/キョードーファクトリー
一般発売中
【地方公演】
<香川公演>  2025年10月18日(土) レクザムホール(香川県県民ホール)大ホール
<鳥取公演>  2025年10月19日(日) エースパック未来中心 大ホール
<岡山公演>  2025年10月21日(火) 岡山芸術創造劇場 ハレノワ 大劇場
<山形公演>  2025年10月25日(土) やまぎん県民ホール (山形県総合文化芸術館) 大ホール
<北海道公演> 2025年11月 1日(土) 帯広市民文化ホール 大ホール
2025年11月 2日(日) カナモトホール(札幌市民ホール)
<大阪公演>  2025年11月 7日(金) サンケイホールブリーゼ
11月 8日(土)
<愛知公演>  2025年11月 9日(日) 安城市民会館 サルビアホール
<石川公演>  2025年11月11日(火) 金沢市文化ホール
<秋田公演>  2025年11月15日(土) あきた芸術劇場ミルハス 大ホール
<新潟公演>  2025年11月22日(土) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
<長野公演>  2025年11月24日(月祝)長野市芸術館 メインホール
<神奈川公演> 2025年11月29日(土) KAAT 神奈川芸術劇場 ホール
11月30日(日)
公式サイト:https://daiyukai.com/
協力:東宝エージェンシー
企画制作:キョードーファクトリー


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