WEF技術開発株式会社は、独自の活性酸素生成技術を用いて、空気中のアンモニアを分解することに成功しました。本技術は、従来の吸着やオゾン処理に比べ、低コストかつ簡易的な処理を可能にするものです。



■活性酸素利用と世界的課題
これまで、活性酸素(ヒドロキシラジカル、スーパーオキシドなど)は極めて高い酸化能力を持つことが知られていましたが、その寿命が非常に短いため、大量生成および実用的応用は長年困難とされてきました。
従来のプラズマ法・光触媒法・電解法などでは、活性酸素の発生効率が低く、安定供給や反応制御が難しいという課題がありました。
特に、固体有機物を活性酸素で分解するという概念は、世界的に前例がほとんど存在しません。
その理由は、活性酸素を“反応場で必要なだけ生成する”技術が存在しなかったからです。


■WEF活性酸素利用(AOS技術の革新点:技術の独自性)

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/564758/LL_img_564758_4.png
画像(4)WEF活性酸素利用

■反応メカニズム(模式)
(1)AOSで空気中に O2・- を多数生成 → 反応層へ送風。
(2)反応層表面の水膜(H+供給)で:O2・- + H+ → HO2・
HO2・ → ・OH 等(連鎖的に・OH生成)
(3)局所的に高濃度の ・OH が触媒表面で発生・保持される。
(4)・OH(吸着状態)+ NH3(g) → NH2・ → 一連の酸化で NOx 中間体
→ 適切条件で N2 に変換(脱窒様反応)またはNOx を下流で処理。
※・OHは高反応性で寿命が短いので、「アンモニアと接触時に発生させる+触媒保持」が鍵。


■試験説明

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/564758/LL_img_564758_1.png
画像(1)試験写真

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/564758/LL_img_564758_2.png
画像(2)試験説明

沸騰すると多量のアンモニアが発生する液状材料を圧力容器に入れて、ヒーターで加熱しました(もう一方は常温発生)。アンモニアが発生するとAOSの風量だけでガスを排出させ、触媒が飽和した時点で活性酸素をONにしてニオイを確認しました。ニオイはほぼしなくなり、臭気計では大幅に数値が下がりました。
※使用した触媒は・OHを非常によく吸着する特殊触媒です。



■処理装置(実機)案
スポット的処理装置の場合
アンモニアが発生する現場のガスを吸引し処理します。設置は現場の天井に吊るして取付けます。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/564758/LL_img_564758_3.png
画像(3)実機(案)

■まとめ
可能性 : 〇 理論的にも実験的にもNH3は・OHで分解可能
反応速度 : 中程度(常大気では遅いがAOS下では高速)
最終生成物: 主にN2、水、副次的にNOx/HNO3
最適条件 : 湿潤環境+高・OH濃度(109~1012 molecules/cm3)

活性酸素+触媒利用では、触媒が吸着した有機物を活性酸素がすべて分解するため、触媒の飽和が無くなり交換メンテナンスが不要となります。
現在2社からアンモニア処理の依頼があり、それぞれの状況に対応した装置を提供するとともに、今後汎用的な装置も販売していきます。
また、この知見をもとに、工場内VOC処理装置を開発し、VOC処理が出来ず全量排出している状況から、空気の循環利用を可能にしてエネルギー削減を目指します。


■会社概要
商号 : WEF技術開発株式会社
代表者 : 代表取締役 青山 章
所在地 : 滋賀県大津市堂1-19-15
設立 : 2016年7月
事業内容: 水処理、廃棄物リサイクル、Mg関連技術開発、販売
URL : https://aoyama-wefit.com
https://mgwaorld.aoyama-wefit.com (マグネシウムワールド)
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