日本最大級のメタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスター株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役CEO:加藤 直人、以下「クラスター」)の研究機関であるクラスターメタバース研究所は、「cluster」において実施した、LLM(大規模言語モデル)ベースのAIエージェントに関する大規模フィールド研究が、2026年1月26日~28日に開催されたAI/VR/MR技術分野の国際会議「IEEE AIxVR 2026(※1)」で発表されたことをお知らせいたします。


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■研究の背景

メタバースプラットフォームは社会的に利用が進んでいるものの、ユーザの定着(リテンション)に課題を抱えており、多くの新規ユーザが初期体験直後に離脱してしまう現状があります。

AIエージェント(※2)がユーザー同士のコミュニケーションのきっかけを作ったり、ユーザの適応や定着を促進する可能性は考えられていましたが、これまでの研究は小規模な環境での短期検証に限られ、実際のサービスでの長期的な効果は検証されていませんでした。


■研究の概要

商用メタバース環境における世界初の大規模・長期フィールド研究を実施。「cluster」上で開催されたイベントにおいて、5,020名のユーザーを対象に31日間にわたって「AIエージェントゴーちゃん。」との自然な相互作用を観察しました。
その結果、AIエージェントと接触した新規ユーザーは、接触しなかったユーザーと比較して、利用頻度が約2.1倍、滞在時間が約2.2倍に増加することが統計的に実証されました。また、単発の体験よりも継続的な接触の積み重ねが重要であり、AIとの関係構築が翌日のログイン確率を33.5%向上させることが明らかになりました。


<ユーザーエンゲージメントとAIエージェント接触の時系列変化>


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AIエージェントと接触したユーザー(オレンジ線)は、接触しなかったユーザー(青線)と比較して、 期間を通じて一貫して約3~7倍長い滞在時間を記録。特に最終日付近では顕著な差が見られました。


<ユーザータイプ別のAIエージェント効果の比較>


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新規ユーザー(S1:上段)、既存低頻度ユーザー(S2:中段)、既存高頻度ユーザー(S3:下段)の3グループで、AIエージェント接触前後の利用状況を比較。新規ユーザーのみ統計的に有意な効果が確認され、AIエージェントと接触したユーザー(オレンジ)は接触しなかったユーザー(青)と比べ、利用頻度が約2.1倍、滞在時間が約2.2倍に増加(***p<0.001)。AIエージェントが新規ユーザーの定着に特に効果的であることが実証されました。


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■「AIエージェント ゴーちゃん。」とは


クラスター 社とテレビ朝日CGの共同開発により、メタメタ大作戦2025に初登場。
テレビ朝日が従来より制作していた「AIゴーちゃん。」がクラスター 社の AI Agent Flexを使用した開発により、デジタル空間上のAIエージェントへと進化。


※AIゴーちゃん。https://www.tv-asahi.co.jp/go-chan/contents/news/0057/
※「ゴーちゃん。」はテレビ朝日のマスコットキャラクター


■実用化への展開

本研究成果は、以下のような領域での応用が期待されます。
・カスタマーエンゲージメント向上:AIエージェントによる継続的な関係構築により、サービスの継続利用率を改善
・新規顧客のオンボーディング最適化:初期離脱率の削減と定着率の向上
・バーチャル接客・カスタマーサポート:24時間対応可能なAIエージェントによる顧客体験の向上
・コミュニティ活性化:AIが社会的触媒として機能し、ユーザー間のコミュニケーションを促進


■論文情報

タイトル:Large-scale, Longitudinal Field Study of AI-agent-User Interactions in Commercial Metaverse
発表先:IEEE AIxVR 2026(2026年1月26日~28日、大阪)
論文著者:
廣井裕一(クラスターメタバース研究所)
今井裕貴(クラスター株式会社)
柳川光理(クラスターメタバース研究所/筑波大学)
平木剛史(筑波大学/クラスターメタバース研究所)


※1 IEEE AIxVR 2026について
AIとVR/MR技術の融合に関する国際会議。世界中の研究者が最新の研究成果を発表し、議論する場として開催されています。
https://aivr.science.uu.nl/2026/
※2 AIエージェントについて
AIエージェントとは、人工知能技術を活用して、人間と自然な対話や相互作用を行うことができるバーチャルキャラクターです。本研究では、ChatGPTなどに用いられているLLM(大規模言語モデル)を搭載した「AIゴーちゃん」を実装し、ユーザーとリアルタイムで会話をしながら、メタバース空間の案内や質問への回答、感情表現を行いました。


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■クラスターメタバース研究所について
クラスターメタバース研究所は、「人類の創造力を加速する」というクラスター全体の目標を先導します。科学的な知見やプラットフォームに蓄積されるデータをもとに、CV/CG/HCI/VR/BMIおよび、全体をまたぐML領域の研究に取り組み、プラットフォームであるクラスターに短期的・長期的を問わず還元していく成果と、人類全体を前に進めるアカデミックな成果も生み出し、融合していくことを目指しています。
https://lab.cluster.mu/ja/


■クラスター株式会社について
クラスター株式会社は、「共創空間のOSをつくる」というビジョンを掲げ、日本最大級のメタバースプラットフォームを開発・運営しています。
独自開発の大規模同時接続基盤を核として、リアルとバーチャルを融合した共創空間インフラを提供。最大10万人が同時接続できる空間は、BtoBプラットフォームとして豊富な実績があります。また、社内研究所ではAI活用やユーザーの行動解析の研究開発も推進し、テクノロジーと創造力で、次世代の社会インフラをつくり続けています。


https://corp.cluster.mu/
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https://metaversebiznews.cluster.mu

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