アプライト電器株式会社(東京都大田区) 2026年2月24日(火)


アプライト電器株式会社(東京都)は、新開発の救難装置「ESAB(Emergency Sonic & Bubble Activating Beacon)」について、水中から発信した信号を空中・海上から検知可能とする新方式として、その水上捜索への応用詳細を本日公開しました。ESABは水中から空中へ向けて可視的な信号(気泡列)を発するとともに、音響信号(水中音波/空中可聴音)を組み合わせることで、遭難時の発見確率向上を目指します。

船舶・航空機の事故時(SAR)・潜水作業・無人探査機・救命装置への搭載を想定した次世代型ビーコンです。
・水中から「空」へ信号を届けるという発想
これまでの救難信号装置は主に海上からの電波を前提としており、沈没後は“発信手段そのものが途絶える”という構造的な制約がありました。ESABは、
・気泡(視覚)
・水中音波(音響)
という2つの物理信号を用いることで、電波が使えない水中からでも海上や上空へ位置を知らせる手段を提供します。


画像 : https://newscast.jp/attachments/nTNawxt2Z2OYR1aKXcVS.png


・上空300mからでも視認できる気泡信号
ESABは高水圧下でも作動する気泡制御機構を備え、細粒の気泡列を連続的に水面へ浮上させます。
この“連続気泡列”は、条件次第で
・水平:約500m
・上空:300m以上
から視認可能と報告された事例があります。(注1
近年の海洋観測研究では、
・上昇する微細気泡の列は白波に近い反射特性を持つ
・海面反射の揺らぎとして航空画像上で識別された例がある
ことが確認されています。


ESABはこの光学的特性を利用し、視覚(気泡)+音響(水中音波)による二重の探索経路を提供することで、航空・海上双方からの捜索精度を大幅に高めます。
注12014~2023年の海洋観測系研究論文における、微細気泡プルームの航空可視性に関する複数の実験報告に基づく。
・なぜ従来は「気泡による位置標識」が実用化されなかったのか
これまで、水中から気泡を放出して海面で位置を特定する手法は、技術的には知られていたものの、実用救難装置として採用されてきませんでした。
主な理由は次のとおりです。
・気泡の挙動が不安定と考えられていた
海況・風・波の影響を受けやすく、「安定した連続気泡列」を形成できる機構が存在しなかった。従来は単発的な湧昇気泡しか生成できず、“位置標識としての信頼性”が不足していた。


画像 : https://newscast.jp/attachments/7VRJgkbB4ufWojYbprAr.png


・「長期連続放出」を可能にする技術がなかった
高圧ガス容器のみでは短時間で枯渇してしまうため、化学反応ガス生成+断続放出制御という ESAB 独自コンセプトが存在しなかった。
・深度圧力に耐える構造が難しかった。(注2)
深海では外圧が極めて高く、従来容器では「破壊リスクを避けるため大量の気体を貯留できない」という限界があった。
・航空視認の研究が未発達だった
“気泡列は 航空画像で識別できる”という研究成果(海洋観測分野)はここ10年で確立した比較的新しい知見で、従来は理論的に不確実と判断されていた。近年の研究により、「連続気泡列は白波とは異なる反射パターンを持ち、300m以上から識別された例がある」ことが報告されたため、ESABでは 光学検出+音響検出の二重方式 として初めて実用化の検討が可能になりました。


注2 ESABは圧力均衡構造により深海環境にも対応可能な構造原理を有していますが、深海で用いる気体発生方式は今後の課題としています。しかし浅い水深での運用については技術的な課題はほぼ解消されており、実用化は比較的容易と考えられます。


・ソナーへの反応と航空・海上からの統合探索
気泡は水中音響センサー(ソナー)へ強く反応するため、
ESABは 「視覚×音響」両面から同一ターゲットを捉えることが可能です。
・航空機(固定翼・ヘリ)
・艦艇
・ドローン
・無人潜水機(UUV)
航空機・船舶・UUVなど異なる捜索手段が、同じESAB信号を利用して位置を把握できるため、複数の探索ルートを組み合わせた効率的な捜索が可能になります。ESABは、個人用の救命胴衣や小型装備への搭載から、航空機・船舶による広域捜索まで活用可能な装置です。
・この技術の構造原理・信号方式にご関心のある方へ
本装置(ESAB)は、水中からの位置把握を目的とした構造原理および信号方式に基づく技術提案です。
本構想に関心をお持ちの企業・団体様からの、共同開発、製品化、量産設計、OEM展開、事業化に関するご相談を広く受け付けています。


気泡の視認性の技術レポートの要約を準備しています。本研究は有料のため、アクセス先の紹介のみとなります。お問い合わせください。


■ 会社概要
アプライト電器株式会社
所在地:東京都大田区
事業内容:電気機器の企画・販売・開発 等
URL https://aplight.biz/esab


・技術的注記へ
記載の性能・到達距離・適用深度・稼働期間は、設計条件や海況・環境に依存します。深海向けの気体発生方式は一定の見通しは得られていますが、今後の課題です。
ESABは既存EPIRB/SART(捜索救助用レーダートランスポンダ)を代替するものではなく、それらを補完する装置として提案するものです。


Q&A:航空視認性についての疑問
Q1. 白波の多い状況でも本当に見えるのか?
研究事例では、「凪の日」「波高が低い海域」において、微細気泡列が白波とは異なる“揺らぎパターン”として航空写真で抽出されています。
荒天では視認性は低下しますが、その場合は 音波 が主役となります。
(人工衛星・UAVでの海底湧昇域の観測論文より)


Q2. 見えるのは「偶然の瞬間」なのか、「長期放出で凪の日に発見」なのか?
どちらの可能性もあります。
・短期: 荒天→晴れへ移るタイミングで、気泡列の揺らぎを航空が検知
・中期: 長期放出により、凪(なぎ)の日に高確率で発見される
ESABは “長期間つけっぱなしで良い” という特性により、発見タイミングを広く確保できます。


Q3. 夜間でも発見できますか?
A. 可能性があります。夜間や荒天で視認が困難な場合でも、ESABは水中音波による探索を補助的に想定しています。

音波の到達距離は音源設計や周囲の音環境に依存しますが、一般的な水中音響の知見では数km規模での検知が期待されるケースもあります。具体的な距離性能については、今後の設計検討および実証により確認していく予定です。


次回予告(第4稿) 2026年2月26日配信予定
次回は、ESABの「個人装備への展開」をテーマに、小型化した装着型ビーコンの可能性について詳しく紹介します。


お問い合わせ先
アプライト電器株式会社
担当:林
TEL:03-6410-7752
携帯 : 090-8580-4990


画像 : https://newscast.jp/attachments/AFncbbP9uya85AXNBKuI.png

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