画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/578698/LL_img_578698_1.jpg
川口喬吾氏(左)と沙川貴大氏(右)
■川口 喬吾 Kyogo Kawaguchi
理化学研究所 開拓研究所 主任研究員
<研究テーマ>
インテリジェントマターの創発原理の解明
<研究の概要>
生き物はエネルギーを使って自分の状態を保ち続けています。物理学ではこれを「非平衡系」と呼びますが、川の流れや天気の移り変わりも同じく非平衡です。では、生命は何が特別なのか?私は、生命がただエネルギーを使うのではなく、環境に応じて「うまく」使っているところ、いわば知的な物質である点にこそ鍵があると考えています。この「インテリジェントマター」の物理を探究することで、生命とは何かという問いに、新しい角度から光を当てたいと思っています。
<InaRISフェローに選ばれた感想>
10年という長期にわたるご支援をいただけることを、大変ありがたく思っています。生命とは何かという大きな問いに、焦らずじっくり向き合える環境はとても貴重です。他の申請書ではなかなか書けないようなアイデアや思いを形にできるこの機会を大切に、研究を深めていきたいと思います。
川口氏の紹介ページ: https://www.inamori-f.or.jp/recipient/kawaguchi-kyogo-j/
■沙川 貴大 Takahiro Sagawa
東京大学 大学院工学系研究科 教授
<研究テーマ>
非線形・非平衡トポロジーとその熱力学への応用
<研究の概要>
非線形性や非平衡性は、生物から量子まで多彩な系で重要な役割を果たします。本研究では、非線形・非平衡系を「トポロジー」の観点から解析し、擾乱に強い安定なふるまいが生まれる原理を解明します。とくに古典確率過程や非線形振動子など、従来トポロジーがあまり議論されてこなかった対象に注目し、新たなトポロジカル物理の地平を拓きます。さらにそれを熱力学へと応用し、省エネルギーな熱機関・情報処理の設計原理を提案します。
<InaRISフェローに選ばれた感想>
私はこれまで非平衡熱力学・情報熱力学や量子情報理論を中心に研究を進めてきました。しかし実は「トポロジー」は、物理と数学の両面から、学部生時代以来ずっと強い関心を持ち続けてきたテーマでした。本助成を機に、非線形・非平衡系のトポロジー研究を大きく発展させ、研究者としての新たな軸を確立したいと思います。
沙川氏の紹介ページ: https://www.inamori-f.or.jp/recipient/sagawa-takahiro-j/
■稲盛科学研究機構(InaRIS)フェローシッププログラムとは
「応用偏重の研究予算のあり方に一石を投じ、基礎研究を長期にわたって力強く支援することで基礎科学の社会的意義が尊重される文化の醸成に貢献したい」という考えのもと、2019年に創設されたプログラムです。今回選ばれたフェローのお二人には、2035年度までの10年間、研究費として毎年1,000万円(総額1億円)を助成します。また、1,000万円の直接経費とは別に100万円を上限として間接経費を研究機関に支払います。
InaRISはキャンパスや建物を持たないネットワーク型の研究機構で、稲盛財団はフェロー同士を繋ぎ、切磋琢磨できる場を提供します。機構運営としては、運営委員会が審査方針や選考委員候補を選定すると共にフェローへのサポートを行います。フェローは自らの所属する大学・機関で研究に邁進しながら、InaRIS運営委員会のメンバーや他のフェローともオープンに交流し研究を推進します。
稲盛財団ウェブサイト InaRISページ: https://www.inamori-f.or.jp/research_grants/inaris
InaRIS運営委員: https://www.inamori-f.or.jp/inaris/committee
2026年度InaRISフェロー選考委員: https://www.inamori-f.or.jp/inaris/2026selection-j