冨士色素株式会社(本社:兵庫県川西市、代表取締役:森 良平)は、2026年2月5日、メキシコ合衆国/海藻(サルガッサム)の廃棄物を原料とした生分解性バイオプラスチック等の製造による有効活用に向けた調査事業が、経済産業省の令和6年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(小規模実証・FS事業)に採択されたことをお知らせします。
※令和6年度補正 グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金

▼(小規模実証・FS事業)特設HP
https://gs-hojo-web-fspoc.jp/index.html

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/579634/LL_img_579634_1.jpg
サルガッサム

■背景と目的
メキシコ南東部ユカタン半島のキンタナ・ロー州では、2018年頃からカリブ海沿岸に浮遊性の海藻「サルガッサム」が大量に漂着し、深刻な社会問題となっています。
漂着後に腐敗したサルガッサムは硫化水素やメタンを発生させ、観光産業への打撃や海洋生態系の破壊を引き起こしており、自治体や観光業界は除去費用だけで年間約200億円以上を費やしていると言われています。現状では「廃棄物として回収・処理する」対症療法に留まっており、資源化技術は確立されていません。
一方で、サルガッサムは生分解性プラスチックの原料となる成分や、アルギン酸・フコイダンといった機能性成分を含有し、高い潜在価値を有しています。そこで本事業では、サルガッサムを「厄介な廃棄物」ではなく「高付加価値の海洋バイオマス資源」と捕え直し、日本の高度な抽出・材料技術を活用して、持続可能な産業活用モデルの構築を目指します。


■本FS事業の内容
本FS事業では、以下の4項目を実施します。

1. サルガッサムの素材化に向けた技術検証:現地でのサンプル採取および成分分析、前処理条件の比較、生分解性プラスチック(PLA/PHA、セルロース系生分解性樹脂等)との混練・成形性評価、コーティング材料・塗料への複合化、アルギン酸・フコイダン等の有用成分の抽出適性を検証
2. メキシコにおける制度・許認可の整理:廃棄物管理法、環境基準、輸出入規制等を調査し、サルガッサムを「産業資源」として扱うための法的要件を整理
3. 事業スキーム・ビジネスモデルの構築:バリューチェーン全体のコスト試算、LCAによる環境価値評価、市場調査を行い、事業化ロードマップを策定
4. 日・メキシコのパートナーシップ体制の構築:キンタナ・ロー州政府、現地企業、大学・研究機関との協議を通じ、実証および商用化に向けた連携体制を設計

なお、当社子会社のGSアライアンス株式会社は、メキシコでサルガッサム関連事業を営むCarbonwave社と事業提携に向けたMOUを締結済みであり、サルガッサムの供給や現地調査支援における協力体制を構築しています。

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サルガッサムを一部原料とした100%植物バイオマス由来の生分解性プラスチック製品

■代表者コメント
冨士色素株式会社 代表取締役 森 良平(工学博士)
「この度の採択を大変光栄に存じます。サルガッサムはカリブ海沿岸の人々を苦しめている深刻な問題ですが、私たちはこれを「廃棄物」ではなく「宝の山」と捕えています。当社が長年培ってきたバイオマス由来の生分解性材料技術を活かし、メキシコの環境問題の解決と新たな産業の創出に貢献してまいります。将来的には、メキシコで確立したモデルをカリブ海諸国、米国フロリダ州、アフリカ沿岸や欧州ポルトガルなど同様の問題を抱える地域へ展開し、日本発の『海藻系バイオ系の材料』という新たな素材カテゴリーの国際標準を創出したいと考えています。」


■今後の展望
本FS事業で技術適性と制度要件が確認できれば、メキシコ現地にパイロットラインを設置し、サルガッサム残渣を用いた生分解性プラスチックの実証・商業化フェーズに移行します。事業化段階では、生分解性プラスチックを主軸に、アルギン酸・フコイダン等の高付加価値抽出物を第2の柱として、事業化を目指します。
サルガッサムの大量漂着はメキシコに限らず、ドミニカ共和国、ジャマイカ、バルバドス等のカリブ海諸国、米国フロリダ州などが同様の問題を抱えており、本事業で構築する技術パッケージは中米、カリブ全域、米国、欧州ポルトガル、さらにはアフリカ西岸やなどへの国際展開が可能なモデルとなります。



■冨士色素株式会社について
冨士色素株式会社は、1938年(昭和13年)創業の有機赤色顔料・各種色材製品の専門メーカーです。高品質な顔料合成技術を起点に、ナノサイズ微粒子分散技術や樹脂用着色剤へと事業領域を拡大し、抗菌加工用薬剤、化粧品用素材、導電性材料など多様な製品を展開しています。2010年には社内スタートアップとしてGSアライアンス株式会社を設立し、ナノテクノロジーを基盤とした知見を活かして、脱炭素社会構築に向けた環境・エネルギー分野の最先端材料・技術の研究開発に取り組んでいます。
天然バイオマス由来の生分解性プラスチック、コーティング材料、塗料、次世代型蓄電池、量子ドット、MOF、深共晶溶媒など幅広い製品群を有し、2020年には国連のUNOPS S3i Innovation Centreが支援するスタートアップ企業として採択され、本件と同じ、サルガッサムから生分解性バイオプラスチックの開発を支援して頂いた経緯があります。また、2025年からは、国連工業開発機関(UNIDO)からウクライナのグリーン産業復興プロジェクトにおいて、補助金対象企業としても採択されています。


■会社概要
社名 : 冨士色素株式会社(Fuji Pigment Co., Ltd.)
所在地 : 兵庫県川西市小花2-23-2
設立 : 1938年(昭和13年)
代表者 : 代表取締役 森 良平(工学博士)
グループ会社: GSアライアンス株式会社(2010年設立)
URL : https://www.fuji-pigment.co.jp/
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