旅館おぎたには、事業と暮らしの境界線がありません。北海道白老町のJR白老駅前に立つこの宿は、前女将・美枝子さんの祖父母が営んでいた下宿から始まりました。先に暮らしがあり、その延長に宿がある――その空気感は、65年にわたり変わらず受け継がれています。
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旅館おぎたスタッフ(右から3代目女将荻田美枝子、娘まな、まなの息子、こんのでんき金野代表)
■ 祖母の下宿から始まった「暮らしの延長としての宿」
旅館おぎたの原点は、1960年の下宿営業にあります。旅館業許可を取得したのは10年後のことで、業態の出発点は「住む場所を提供すること」でした。おもてなしのプロが非日常を演出するのではなく、「ここに暮らしている人たちの日常に、外から来た人が混ざらせてもらう」――そういう構造が、祖母の代から3世代にわたって積み上がっています。
暮らしと宿が一体な場所は、かつての日本にはあたりまえにありました。旅館おぎたが今の時代に際立つのは、その本質を自覚的にコンセプトとして再定義し、次の世代に渡そうとしている点にあります。65年という時間と、荻田ファミリーの暮らしそのものが積み上げてきた空気は、意図してつくることができません。
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旅館おぎた外観1
■ 「暮らしの継続」を前提に成立した承継
後継者不在による地域資源の喪失が全国で課題になるなか、旅館おぎたの承継は一つの実験でもありました。承継したこんのでんきの代表・金野大輔氏には、この宿との縁がありました。祖父がかつて旅館の改修工事に大工として携わっており、半世紀にわたる地縁が承継を決断させた動機の一つになっています。
重要なのは、承継後も美枝子さんをはじめ荻田ファミリーが現場に残ったことです。これは単なる事業の引き継ぎではなく、「暮らしの継続」を前提にした承継といえます。宿の本質だった空気感を守りながら、次の世代へ渡すかたちを模索した結果が、この体制です。
■ 「まちのリビング」――その土地の温度感に触れたい旅行者へ
旅行のニーズが変わりつつあります。非日常の完成度や贅沢な体験よりも、その土地に実際に流れている空気に触れたい、地域の人と自然に交わりたい――そういう旅をしたい人が、確かに増えています。旅館おぎたの「暮らしと宿が一体」という本質は、そのニーズに対して、作り物ではない形で応えられる場所として機能します。
新コンセプト「まちにひらく、もうひとつの実家」は、この本質を言語化したものです。宿泊客だけでなく地域住民も気軽に立ち寄れる場所、家族のような温もりで迎える場所――それは新しい方向性ではなく、祖母の下宿から続いてきた姿を、2026年のことばで表現し直したものでもあります。住民との交流イベントや地域アーティストとのコラボレーションなど、まちとつながるプログラムも順次展開予定です。
■ コワーキングスペース新設:設計思想を「空間」に落とし込む
コンセプトを形にする装置として、宿泊施設内にコワーキングスペースを同日新設します。ここでも「外から来た人と、ここに暮らす人が、同じ場所にいる」という設計原則を貫いています。
外から訪れるリモートワーカー・ワーケーション利用者にとっては、白老に滞在しながら働き地域と関わる拠点。
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コワーキングスペースイメージ
■ 承継者コメント(合同会社こんのでんき 代表 金野大輔)
「(コメント:100文字程度でいただく予定)」
■ 女将コメント(荻田美枝子)
「宿を良い形で引き継げたことでまずは安心している。子どもの頃からずっと利用してくれているお客様もたくさんいて、関わり方は変わったがこれまでと同じように旅館でお迎えできることを嬉しく思う。最近では海外のお客様がちらほらいらっしゃるようになるなど、また新しい体制に変わった先の取り組みも楽しんでいきたい」
■ 旅館おぎた 概要
施設名 : 旅館おぎた
所在地 : 北海道白老郡白老町東町2丁目2−2
アクセス : JR白老駅 徒歩3分
運営 : 合同会社こんのでんき(代表:金野大輔)
施設内容 : 宿泊(全室Wi-Fi完備)・コワーキングスペース・
イベントスペース
TEL : 0144-82-2330
ウェブサイト: https://ryokan-ogita.jp
公開・開設日: 2026年3月12日(木)