先進的な尖った企画で市場規模が小さく、投資の回収が見込めないなどの理由でパナソニック社内でお蔵入りとなった事業が2月5日、内閣府などの政府主催の「第1回 日本オープンイノベーション大賞」の中の「科学技術政策担当大臣賞」を受賞した。受賞対象のプロジェクトは、元パナソニック社員だった浦はつみ氏が2018年9月に立ち上げたミツバチプロダクツのホットチョコレート事業の挑戦だ。


 ミツバチプロダクツは、パナソニックが持つスチーム技術を使って業務用ホットチョコレートマシン「∞ミックス(インフィニミックス)」とそのサービスの企画・製造・販売を手掛けるスタートアップ。パナソニックと、シリコンバレーを拠点とするスタートアップなどのベンチャーキャピタルであるスクラムベンチャーズ、旧産業革新機構から事業承継したINCJの3社の合弁会社BeeEdgeが投資した支援プログラムの第1号案件だ。
 BeeEdgeの狙いは、重い大企業の組織風土の中で眠っていた新規事業やアイデアを、身軽でスピーディーに事業展開できるスタートアップを設立することで開花させるためのスキームそのものにある。
 今回の賞では、パナソニック内で事業化が難しいと判断されたホットチョコレート事業をカーブアウトし、独立した組織で独自の判断で他社連携などを実施。短期間で製品を量産化できる体制を確立したことが評価された。
 また、国内ではまだニッチな「チョコレートを飲む」という新たな食文化をパリのチョコレートの祭典で提案するなどして、産業の活性化に寄与した点も評価された。パナソニックとしても、新しいチャレンジの手法が具体化されたことで社員にチャンレンジ精神が醸成されることなどを期待する。
 日本オープンイノベーション大賞の選考委員会には小説「下町ロケット」の著者である作家の池井戸潤氏のほか、日本女性初の宇宙飛行士の向井千秋氏なども委員として参加。表彰式は3月5日に、虎ノ門ヒルズ(東京・港区)で開催される予定だ。(BCN・細田 立圭志)
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