新体験をもたらすのは、ソニーが昨年6月に発売したオープンイヤーステレオヘッドセットだ。これはイヤホンから流れてくる音と外部の環境音を同時に聴くことができる新しいコンセプトのガジェット。具体的には、電車に乗ってイヤホンで音楽を聴きながらでも車両で流れるアナウンスが明瞭に聴き取ることができたり、人と会話できたりできる。
では、これがどのように映画の体験に結びつくのか。“ながら聴き”によってストーリーへの没入感が上がるコンテンツというのはかなり特異な気がする。ところが、ちょうどこのガジェットにベストマッチする作品が日本に上陸した。昨年のサンダンス映画祭で観客賞を受賞したのをはじめ、各国の映画祭を総なめにした『THE GUILTY/ギルティ』だ。
これが長編デビュー作というグスタフ・モーラー監督がつくり上げた本作の設定は「電話からの声と音だけで、誘拐事件を解決する」というシンプルなもの。
主人公は緊急司令室のオペレーターである中年男・アスガー。ガタイがよく、いかつい顔をしたいかにも警察官という風貌だ。そんな彼のもとに、車で連れ去られているというイーベンという女性からの緊迫した電話がかかってくる。女性は誘拐犯にバレないように電話をしているため、単純な質問に答えるのも簡単ではない。アスガーは周囲の音や無線を通して現場の警察官から情報を得ながら、事件の解決を図る……というのが大まかなプロットだ。
さまざまなところに散らばっている情報が集まり、徐々に核心に近づいていくのだが、カメラが捉えているのは、緊急司令室にいるアスガーのみ。イーベンがどのような女性なのか、どんな状況に置かれているのか。無線越しの警察官の捜査状況はどうなっているのか。観客はアスガーがオペレーター用のヘッドセットと私物の携帯電話で聞いている音から想像するしかない。
ここまでストーリーとコンセプトを聞いて、ピンときた人もいるかもしれない。オープンイヤーステレオヘッドセットは、アスガーが常時装着しているヘッドセットとリンクする小道具として機能する。
試写会で使用したオープンイヤーステレオヘッドセットは「STH40D」という有線タイプのもの。接続したラジオから劇中の電話音声が耳に直接流れこんでくるシステムだ。映像とリンクするアスガーの声や緊急司令室の音は映画館のスピーカーから流れてくるので、観客はオペレーターに限りなく近い状況でストーリーを追っていくことになる。
記者は大学時代にコールセンターでアルバイトをしていたことがあるので、上映中はちょっとそのときのことを思い出した。電話の相手はどんな人物なのか、どんな状況から電話しているのか。その答え合わせはできないが、想像力は膨らんでいき、勝手にイメージした相手に話すうちに緊張感はほどけていく。本作はそんな心の動きを巧みに捉え、ミスリードすることで予想外の結末に観客を導いていく。鑑賞後は多くの名作を生み出している北欧ミステリーらしい心にずっしりくる余韻が残るはずだ。
『THE GUILTY/ギルティ』は2月22日から全国の劇場で公開をスタートした。オープンイヤーステレオヘッドセットを使用した上映は現時点では決まっておらず、担当者によると「検討中」とのこと。映画体験の新たな可能性として、広がることを期待して、朗報を待ちたいところだ。
【関連記事】
完全ワイヤレスイヤホンの新提案「Xperia Ear Duo」を1日中つけっぱなしで生活してみた
完全ワイヤレスイヤホン「Xperia Ear Duo」、耳を塞がない新機構を採用
日本初上陸、「攻殻機動隊」のVRライド型アトラクションがお台場に
VRは映画業界を救えるか 転落と隣り合わせの体験型シアター
ドルビーが解説する「ドルビーアトモスサウンドシステム」の実力











![[USBで録画や再生可能]Tinguポータブルテレビ テレビ小型 14.1インチ 高齢者向け 病院使用可能 大画面 大音量 簡単操作 車中泊 車載用バッグ付き 良い画質 HDMI端子搭載 録画機能 YouTube視聴可能 モバイルバッテリーに対応 AC電源・車載電源に対応 スタンド/吊り下げ/車載の3種類設置 リモコン付き 遠距離操作可能 タイムシフト機能付き 底部ボタン 軽量 (14.1インチ)](https://m.media-amazon.com/images/I/51-Yonm5vZL._SL500_.jpg)