●節電に効果的なLED 新築住宅のダウンライトは一体型が主流
全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、LED電球のメーカー別トップ3は、パナソニック、アイリスオーヤマ、東芝ライテック。この上位3社だけでLED全体の販売台数の約7割を占め、残り3割弱に数十社がひしめき合う。
しかし、LED電球のうち、動きを検知して自動的に点灯・消灯する人感センサー付きタイプに限ると、参入メーカーは6社に減り、アイリスオーヤマがシェア54.0%と圧倒的だ。2位のパナソニックも35.7%を占め、上位2社の寡占市場となっている。
同期間のLED電球全体に占める人感センサー付きタイプの販売台数構成比はわずか2.6%にとどまる。決して主流ではないが、今や通常タイプとの価格差がほとんどなく(税別平均単価の差は約300円)、玄関や廊下など人の出入りが多い場所、消し忘れが多い特定の部屋などでは、人感センサー付きタイプの方が便利だろう。
従来の白熱灯・蛍光灯から低消費電力・長寿命のLED電球に交換すると、交換した数と使い方によって、かなりの省エネ・節電効果が期待できる。ただ、LEDの寿命が約4万時間と長くコスト面から、新築住宅のダウンライト照明は、器具一体型LEDダウンライトが多く、中でも玄関周りの照明として、センサースイッチと照明器具を組み合わせる「人感センサー照明」が標準仕様となっている。
東京都が今年策定した「東京ゼロエミ住宅」では、「全室LED」が認定の条件。さらに、玄関・トイレ・洗面脱衣所・廊下・階段のうち、1カ所以上は「人感センサー付き」と決められている。省エネに配慮するなら、これらの箇所は人感センサー付きLEDが推奨だ。
今後ますます、新築住宅やリフォーム済み物件では、LED電球を別途購入する必要のない器具一体型LEDの比率が増えると予想されるものの、安価で買いやすいLED電球の需要も根強く残ると思われる。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計しているデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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