自宅の空気をキレイにするための選択肢として、代表的なものは空気清浄機だろう。しかし、一人暮らしだと場所を取りすぎることもあり、なかなか導入が難しい。
ここ数年でそんな悩みに応える手段として選ばれ始めているのが、「オゾン」を活用した新しいタイプの除菌消臭器だ。代表的なマクセルの「オゾネオ」を試して、人気の秘密を解明してみた。

●そもそも“オゾン”って何? 除菌消臭の仕組み
 「オゾンで除菌消臭」というと、あまりイメージがつかないかもしれない。なので、まずはその仕組みを説明しておきたい。オゾネオは、リング状の電極部にコロナ放電を行うことで、オゾンを生成する。ファンは搭載していないが、独自技術にてイオン風を発生させ、部屋中に行き届かせる。
 オゾンは酸化力が強く、空気中に漂うニオイのもととなる菌やウイルスに効果的に作用する。空気清浄機は空気を吸い込み、キレイにして送風するという仕組みだが、オゾン除菌消臭器はオゾンが空気中で消臭や除菌をするので、非常に効率的だ。なお、オゾンは低濃度なので、人体への影響もなく安心して使える。
●ピンポイント利用で効果は絶大 おすすめの使い方
 オゾン除菌消臭器は、猫カフェなどのニオイが強烈で雑菌が繁殖しやすい場所でも多く採用されている。効果が信頼されているのはもちろん、評価されているのが設置性の高さだ。コンパクトなので、さりげなくあらゆる場所で利用できるのだ。

 これは、一人暮らしの手狭な住居にもうってつけ。空気清浄機のように場所を取らずにピンポイントで除菌消臭を行うことができる。特に小さい「オゾネオ スティック」は用途に応じて、「小空間用 MXAP-AR50」「衣類・靴用 MXAP-ARS50」「ゴミ箱用 MXAP-ARS51」の3種類を用意する。
 それぞれを記者の自宅で試してみた。記者宅の間取りは、8畳程度のワンルーム。それに2畳程度の納戸がついている。まずは、小空間用 MXAP-AR50を納戸に置いて効果を確かめてみた。衣類、書籍、ゴルフ用品と雑多に置いているので、ニオイが以前から悩みの種だったので、解決するとありがたい。
 納戸は空きスペースがほとんどなく、コンセントも確保しにくいので空気清浄機の設置は諦めていたが、オゾネオ スティックなら電池式なので置き場所を選ばない。しかも、このタイプにはフック型と壁面用のアタッチメントが付属している。今回はフック型を使って、ハンガー掛けにぶら下げた。
 設置して一晩放置。
翌朝、納戸の扉を開くと、早速、効果てきめん。悪臭(特にゴルフ用品の泥臭さ)がほとんど消えていて驚いた。パワーも申し分ない。一人暮らしなら、気になる静音性にも触れておきたい。納戸は寝室のすぐそばにあるのだが、ファンレスのオゾネオは駆動音がほとんどせず、寝るときも気にならなかった。
 続いて試したのが、衣類・靴用 MXAP-ARS50。衣類・革靴・スニーカーの3モードを搭載し、目的に最適化した使い方が選べるタイプで、除菌消臭したい対象にダイレクトにアプローチできる。衣類であればフック型のアタッチメントをひっかけて、靴であれば履き口にそのまま突っ込んでおけばいい。
 こちらも、一晩で効果をしっかり実感することができた。特に、スーツは前日に焼肉に行ってニオイがこびりついた状態で使用したのだが、翌朝には無臭になっていた。自宅での使用ももちろん、コンパクトなので旅先でも使えそうだと感じた。家では消臭剤も使えるが、旅先には持ち歩けない。
記者は長期の出張も多いので、とても心惹かれた。
 最後に、ゴミ箱用 MXAP-ARS51を試した。こちらは、フタの内側などに取り付ける固定用のアタッチメントが付属しているのが特徴。ニオイの発生源に近い場所に、さりげなく設置することができる。
 スタンダードにゴミ箱に設置するのも良いのだが、記者はキッチンの戸棚にぶら下げているゴミ袋のそばで試してみた。一人暮らしだと、わざわざゴミ箱を置いていないケースも多いという推測から、よりリアルなシュチュエーションを再現してみた。
 設置したのは、ゴミ箱のぶら下がった戸棚。固定用アタッチメントで扉に固定した。記者は毎日自炊しているので、生ゴミの出る量も多い。消臭スプレーはこまめにしているが、正直、結構面倒くさい。ゴミ箱用 MXAP-ARS51は設置して、放置するだけ。常にニオイの元を取り除いてくれるので、快適に料理ができるようになった。

●一人暮らしならこれもあり! 部屋干し用のオゾネオ
 オゾネオには非常に多くのラインアップがあるが、一人暮らし用としてスティックタイプ以外でおすすめしたいのが、「部屋干し用 オゾネオ MXAP-ARD100」だ。こちらはファン搭載のモデルで、オゾンと合わせて強力な風を発生させることが可能だ。
 都市部の集合住宅だと、ベランダに洗濯物が干せない(あるいはルールで禁止されている)場合も少なくない。そこで嫌でも部屋干しとなるのだが、乾くのに時間がかかるし、湿気やニオイが部屋に立ち込めやすい。記者も外出時に部屋干しして帰ってくると、部屋がじめじめして(しかも、洗濯物はまだ生乾き状態)うんざりすることがよくある。
 部屋干し用 オゾネオ MXAP-ARD100は、3段階の風量切替、上下3段階の角度調整、左右約60度の首振り運転機能を搭載している。記者は風呂場に洗濯物をぶら下げて試してみたが、端から端まで風が行き届くので、ムラなく衣類を乾燥することができた。オフタイマーがついているので、作業中に安心して外出することもできる。
 部屋干し対策だと除湿器を使用する人も多いだろうが、こちらは値段が張る。また、使用していないときの置き場所にも困る。部屋干し用 オゾネオ MXAP-ARD100は、エアコン用のサーキュレーターとしても機能するし、コンパクトなので収納も楽。一人暮らしにうれしいポイントが多い。

 最後に、こちらは検証ができなかったが、除菌効果があるのも“オゾン”ならではだ。これからの季節、インフルエンザをはじめ、ウイルス対策は欠かせない。オゾネオなら意識することなく、ニオイ・菌の両方に手を打てる。年末の大掃除に合わせて、部屋の空気管理を見直すのも良いかもしれない。(BCN・大蔵大輔)

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