創刊以来42年の歴史を持つカメラ雑誌の老舗『月刊カメラマン』が、4月20日発売の2020年5月号で突然休刊した。4月22日、発行元のモーターマガジン社がウェブサイトで発表した。
通常、雑誌が休刊したり廃刊したりする際には、編集長の挨拶などを掲載するのが出版界の慣例。しかし、5月号には休刊の告知が一切なく、次号の予告も掲載したまま。突然の休刊だったことがうかがえる。

 月刊カメラマンの井戸川博英編集局長は、「休刊は会社の方針として突然決まった。新型コロナウイルスとの関連性など理由については、社として明らかにできないが察してほしい」と話す。広告主や執筆陣など、関係者に休刊を連絡したのは4月21日の10時だったという。ぎりぎりの決断だったようだ。坂本直樹編集長も4月21日、Facebookで休刊を報告。長年の協力や購読に感謝を述べた後、引き続き「MOOK制作やカレンダー・写真作品販売などで邁進」すると発表した。
 今後は『月刊カメラマン』の姉妹サイト「Webカメラマン」やFacebook、YouTubeなどで情報発信を継続する。同誌の人気企画だった「激論! 間違いだらけのカメラ選び」なども、ネット上での展開を視野に入れ「カメラマン編集部らしい他メディアでは真似のできない、大胆かつユニークなコンテンツを展開していく」(井戸川編集局長)予定だ。なお、読者投稿の写真作品で構成する「フォトコンテスト」については、「ウェブ上でも継続して実施するかどうかは検討中」(同)という。
ネットを駆使した新生「カメラマン」の再起に期待したい。(BCN・道越一郎)
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