年齢とともに変化する代謝を考えながら食生活を変えるのは専門家でも至難の技で、指標がないからほとんど挫折してしまう。こうした長年の悩みに終止符を打ってくれるのが今回紹介する「Lumen(ルーメン)」だ。装置を通して呼吸をするだけで、体が何のエネルギーで動いているか教えてくれる。これがあれば今年の年末年始を太らず乗り切れるかもしれない。
●指標で継続を簡単にしてくれる画期的ガジェット
冒頭にも書いたが、体重の維持や減量は継続が難しい。特に代謝が落ちてくると、なぜ太ってきているのか、原因が何なのかを特定できず、これが挫折につながる。この点を解決してくれるのがLumenだ。これまでは専門的なラボなどで呼気の測定をすることでしか確認ができなかったが、Lumenのおかげで家庭でも測定可能になった。使い方は簡単で、アプリと本体を起動したら本体を通して呼吸をする。すると、呼気中のCO2が測定され、現在の代謝がわかるという仕組みだ。
代謝は5段階で表示されるようになっており、毎朝「1」か「2」を目指して調整していく。
炭水化物の量は通常30g前後とかなり少ないが、ずっと減らしているかというとそうではない。ハイカーボデイという日が存在し、その日は多くの炭水化物を摂取して意図的に数値を「4」や「5」にもっていく。制限するだけだと体が蓄えるモードに入ってしまうので、これを防ぐ目的だ。
Lumenでは代謝の柔軟性を上げることが最重要なため、定期的に多くの炭水化物を摂るように指示が出るようになっている。実際にアプリにしたがってその日は多くの炭水化物を摂り、数値を上げることで単純に制限だけする場合よりも体重が落ちやすくなっているように感じた。
●体重が落ちにくい時も支えになってくれるガジェット
Lumenで測定をし続けていると、食事を調整しているにも関わらず代謝が変わらない時期があることがわかる。この時期は体重も落ちず、当然モチベーションが下がる。ルーメンが便利なのはこのような時期でも「3」や「4」という数値でそういう時期だと把握できる点だ。もしこれを数値で教えてもらえなかったら挫折してしまうだろう。開始直後は順調に落ちていたのに少し経つとむしろ体重が増える、といったダイエットにありがちな壁もLumenを使えば容易に越えられる点は非常に実用的だと思った。
また、朝だけでなく食事の前後でも計測することによって、その時の食事が代謝に与えている影響がわかることも大きい。数値が上がってしまうのか、あまり影響がないのかを確認できるので、その後の食事を微調整ができる。アプリのアドバイス通りに食事ができれば望ましいが、生活しているとうまくいかない時も多い。そういったイレギュラーも測定で確認ができるので、どういった食事がいいのかという知見がたまるのも便利だった。
●科学的に立証された効率的な代謝改善
Lumenが面白いのは、摂取するものを制限して減量するのではなく、代謝の柔軟性を上げるというコンセプトに基づいて開発されている点だ。これが斬新で筆者も試用してみたわけだが、結果としてかなりの減量効果があった。以前糖質制限で減量した際は、開始時に頭がボーッとしたり、食べられるものが極端に少なかったりと、忍耐力が求められ継続が困難だった。
一方Lumenでの減量は炭水化物が少なめになるものの、空腹を我慢するようなことはなく、朝昼晩食事ができるので継続するのが容易だ。体重が落ちない時期も数値で確認できるので精神的な負担も軽減される。代謝にフォーカスしているので、体重も平均的に減っていき、毎日の体重測定で一喜一憂しなくなるのも良い。
現在の食事メニューで続けやすいかどうかも定期的にアンケートが入り、その都度アプリが自動調整してくれる。最初は半信半疑だったが、ありがちな一辺倒のアドバイスではなくかなりパーソナライズされた指示をしてくれている実感がもてた。
惜しむらくはアプリが日本語対応していないところだが、一度辞書を使って翻訳するなりすれば操作は簡単で問題ない。以前紹介した瞑想用ヘッドバンド「Muse S」(https://www.bcnretail.com/news/detail/20200519_173889.html)もそうだが、海外ではこうした先進的なガジェットが多く開発されている。玉石混交状態であることも否めないが、積極的にリサーチしていくとMuse SやLumenのような実用に足る商品に出会える。今後も日本であまり知られていない海外製ガジェットを紹介していくので期待してほしい。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。
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