日本でも人気のApple Watchにはさまざまな機能が搭載されている。そのなかには長らく日本では使えない機能があった。
それが心電図と不規則な心拍の通知機能だ。海外ではすでに使用可能となっており、何人もの人命を救っている。それらの機能がついに日本でも使えるようになり、今後の活躍に期待できそうだ。

●日本で新たに有効化された新機能
 心電図と不規則な心拍の通知機能は、日本では1月27日に公開されたwatchOSのアップデートにより使用可能となった。それぞれどんな機能なのか、概要を見てみよう。
●心電図(ECG)
 心電図とは、心臓の電気的な活動を記録したもの。一般的に不整脈や虚血性心疾患の有無、高血圧に伴う心肥大やその他心臓病の診断に役立つが、Apple Watchは心房細動の兆候検知に特化している。
 心電図の測定に対応しているApple WatchはSeries 4、5、6の3機種。測定はApple Watchにインストールされる心電図アプリを起動し、デジタルクラウンに指をあてて30秒間静止することで行われる。
●不規則な心拍の通知機能(IRN)
 一方、不規則な心拍の通知機能は、心房細動の可能性がある不規則な心拍が複数回検出されたとき、Apple Watchに通知を表示する機能だ。心電図とは異なり、測定は自動で行われるが、1日のチェック回数および間隔はユーザーの活動パターンごとに異なるとのこと。
 不規則な心拍の通知機能に対応しているApple WatchはApple Watch Series 3以降とApple Watch SEとなっている。

●ECGとIRNが命を救った事例
 心電図および不規則な心拍の通知機能は、単なるおまけ機能ではなく、実際にこれらの機能が人命を救った事例が報道されている。
●心房細動の発見
 Redditユーザーのedentel氏が心電図アプリを使用中に、心房細動であるという結果が表示された。Apple Watchの間違いかと思い、繰り返し測定を行ったが、何度やっても心房細動であるという通知が出たとのこと。そこで病院に行き精密検査を受けたところ、実際に心房細動と診断を受けた。
 この事例が報告されたのは心電図アプリがリリースされた直後であり、Apple Watchの心電図の効果を世に知らしめた事例といえる。
●心拍障害を察知
 ブラジル人男性のホルヘ・フレイレ・ジュニア氏がApple Watch着用中に、「あなたの心拍は10分以上140BPMを超えています」という警告メッセージを受けた。心拍数測定結果は170BPMという非常に高いものであったため、自宅に帰って安静にして心拍数が下がるか試したとのこと。
 それでも心拍数が160BPM前後から下がらないため、病院に行ったところ、心拍障害を患っていると診断された。幸い、心臓発作の兆候はないものの、心拍数を下げるための薬を処方されたとのことだ。
●13歳の少年の心臓病を発見
 Apple Watchに救われたのは成人だけではない。アメリカオクラホマ州に住むスカイラー・ジョスリン君は、Apple Watchから心拍数が190BPMもあるという通知を受け取った。母親が慌てて学校に駆け付け、病院に連れて行くと‘、病院では280BPMまで心拍数が上がっていたとのこと。

 その後の検査でジョスリン君は上室性頻拍との診断を受けた。手術を受け、心臓モニターを付けたままではあるものの、短時間であればサッカーができるほどに回復したという。この病気は時間の経過とともに心臓を弱らせるといわれ、早期発見できたことがまさに彼の命を救ったといえる。
●日本でも命を救った事例が報告されるかも?
 このように世界各国で人の命を救っているApple Watchの心電図と不規則な心拍の通知機能は、まさに日本でも待望の機能といえるだろう。日本でも近い将来、命を救った事例が報告されるかもしれない。忙しくてなかなか病院に行けない人も多いだろうが、自分の健康を維持するため、Apple Watchの導入を検討してみてはいかがだろうか。(ライター・ハウザー)
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