【こっそりミームを教えます・15】 若者を中心に流行し、いつの間にかネット上に定着したミームの数々。ルーツは様々で、感動・怒り・喜びといった感情を端的に表現したものも多い。
そんな“感情を表すネットミーム”から、今回は「圧倒的感謝」について紹介していこう。

●「圧倒的謝罪」や「圧倒的成長」の派生も
 「圧倒的感謝」とは読んで字のごとく感謝の気持ちを伝えるミームで、“この上ない・最上級の感謝”という意味を持つ。語感的にも口にしやすい同ミームの元ネタとなったのは、福本伸行さんの人気マンガ『賭博破戒録カイジ』。強制収容所で働く主人公・カイジが仲間たちとの脱出を賭けてギャンブルに挑み、見事勝利したことで仲間たちの「感謝っ‥‥!」「圧倒的感謝っ‥‥!」という“心の声”が描かれたのだ。
 同ミームは汎用性が高く、たとえばネット上には「友達が推しのコンサートチケット取ってくれた… 圧倒的感謝!」「大雨のなか迎えに来てくれた親に圧倒的感謝すぎて足向けて寝られない」といった使用例が。また「圧倒的感謝」から派生して、「圧倒的謝罪」や「圧倒的成長」などの表現も目立つ。
 ちなみに「圧倒的感謝」とは反対に、激しく“後悔”した時の表現として「圧倒的後悔」というワードが存在。こちらはお笑いコンビ・ブラックマヨネーズの吉田敬さんの発言が元ネタとされている。
 きっかけは“福本伸行先生にシビれた芸人”を特集した「アメトーーク!」で、吉田さんが新ネタを披露するも残念ながらスベってしまうことに。その際に「圧倒的後悔」と口にし、なおかつ番組の中で福本さん本人が「圧倒的後悔」の使用を認めたという経緯がある。
 短いフレーズながらミーム化し、派生語まで生み出した「圧倒的感謝」。わずか5文字の言葉で読者にそれだけのインパクトを与えたのだから、さすがと言うほかない。
(フリーライター・井原亘)
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井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている
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