●社会貢献で始めたマスクの生産・販売が事業化
「薬用Crystaliq」シリーズは、「薬用保湿クリーム BE-Q100C」(容量30g、価格1280円)、「薬用保湿化粧水 BE-Q100T」(120ml、1980円)、「薬用保湿乳液 BE-Q100L」(75ml、2280円)の3商品となる。
薬用保湿クリームは3月22日、薬用保湿化粧水と薬用保湿乳液は4月下旬から発売。薬用保湿クリームは3月15日から「COCORO STORE」で先行受注を開始した。各製品で月産5000個を目標に据える。
新商品は、保水有効成分「ヘパリン類似物質」と抗炎症有効成分「グリチルリチン酸ジカリウム」を配合したもので、前者は肌の水分保持に作用し、乾燥を防ぎ、潤いのある健康な肌に導き、後者は肌あれやニキビを予防するという。
シャープは2020年3月から社会貢献として国産不織布マスクの生産・販売を開始。同年4月から個人向けにECサイトでの直販を開始した。さらに同年12月からサブスクリプションのマスク定期便サービスを開始するなど、コロナ禍で国産のマスク需要が高まったことを背景に、社会貢献として始めたマスクの生産・販売を事業化してきた。21年11月にマスクの生産枚数は累計3億枚を達成した。
●マスク着用の日常化がビジネスチャンスに
一方で、マスクの着用が日常生活に浸透する中、ユーザーからはニキビや吹き出物、擦れ、肌乾燥、かぶれ、かゆみなど肌の悩みが増えてきたという。
シャープはヘルスケア分野の事業拡大を目指しており、薬用Crystaliqシリーズは最初は自社ECサイトでの販売開始となるが、顧客の反応や販売状況を踏まえながら家電量販店や他業界の販売チャネルへの拡大も検討する。
家電メーカーではアイリスオーヤマが国産マスク事業に力を入れたり、パナソニックが3月に男性のひげにも対応して男女でも使える光美容器 光エステ「ES-WP98」を発売したりするなど、コロナ禍による家での過ごし方やライフスタイルの変化を、ヘルスケア分野での事業拡大のビジネスチャンスととらえている。(BCN・細田 立圭志)
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