【こっそりミームを教えます・44】 芸人がよく使っているイメージのある「えぐいて」というフレーズ。ただの方言かと思いきや、若者の間では“ミーム”として流行っていることをご存じだろうか。
本稿では、「えぐいて」が今どのように使われているのかを紹介しよう。

●度を越している=えぐい?
 辞書を引いてみると、「えぐい」とは本来「アクがあっていがらっぽい、渋い」「喉を刺激するような味」を表す言葉である。そこから転じて「きつい」や「厳しい」を表現する際にも使われるようになったそうだ。また、「度を越している」や「残虐である」様を表す関西弁の「えげつない」が変化したという説もある。
 では今回紹介する「えぐいて」には一体どんな意味が込められているのだろうか。若者に流行るきっかけとなったのは、ドッキリ動画を多数配信しているYouTuberチャンネル「チャンネルがーどまん」。リーダーのがーどまんさんが、ドッキリを仕掛けられた際に発した「えぐいてえ!」が話題となり広まった。動画を見てみると、がーどまんさんの「えぐいて」は「えげつない」の用法とほぼ同じ意味で使われている。
 しかしTwitterで検索したところ、「ここからシュート決めるなんて! マジでえぐいて」や「可愛すぎてえぐいて」など「すごい」「やばい」の意味でのつぶやきが多数見つかった。どうやら本来の意味である「きつい」「ひどい」だけでなく、前向きなイメージで“度を越している”時にも使われているようだ。
 ネガティブにもポジティブにも使えるミーム「えぐいて」。使い勝手がいいのでつい使いたくなるが、くれぐれも度を越さないように注意したい。
(フリーライター・井原亘)
「えぐいて」だけじゃない! 是非チェックしたいその他トレンドワード
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■Profile
井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている
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