●焼き派と通常派 派閥争い勃発の予感!
今回は、通常の牛めしとの比較を行うために、焼いたお肉と通常のお肉の両方をいただけるコンボを注文した。まずは元祖旨辛焼き牛めしの具材を見てみると、お肉の上にたっぷりと青ネギが乗っており、見栄えも華やかだ。さらに、柔らかそうな温泉卵がプルルンと揺れている。これを割ってトロッとした黄身をお肉に絡め、一気にほうばりたくなるがもう少し我慢。
お肉を比較すると、通常の牛めしと比べて焼き牛めしの方は一切れが大きく、なかなか分厚い。脂身が少ないのも特徴的だ。旨辛ダレがかかっているためか、やや赤茶色で食欲もそそられる。ここでお肉だけをいただいてみると、しっかりした歯応えがあり、噛めば噛むほどじゅんわりと味が染み出してくる。通常版のお肉は口に入れたら溶けるような感覚だが、その真逆で噛むほどに旨味を感じることができる。
次は旨辛ダレがかかったご飯とお肉を一緒にいただくと、濃厚な味わいにほのかな辛みが加わり、なんとも美味い。焼いたお肉から溢れる旨味とご飯、タレが渾然一体となり、奥行きある風味を感じさせる。
では、念願の温泉卵をくずし、黄身、お肉、青ネギ、ご飯の全てをかきこんでみる。「うおー!うめー!」。部活帰りの高校生のようにはしゃいでしまいそうになるほど力強い美味さ。ここにきて、辛味もしっかりと押し寄せてくる。それを温泉卵がマイルドにしつつ、ネギの香りと食感、そして肉の旨味が混じり合って、マジうまし。いつのまにか通常版のお肉も口に入っており、二種のお肉が華麗なる共演を果たす。「最高の時間やでー!」。
お次は、旨味醤油焼き牛めしをいただこう。お肉の種類は旨辛版と同じなので、その魅力は割愛する。大きな違いは、青ネギの代わりに刻みノリがふりかけられていることと、タレの味が通常版の牛めしに近い醤油味であること。普段の牛めしファンも安心していただくことができそうだ。
こちらは最初から温泉卵を崩して、刻みノリ、お肉、ご飯を一緒にかきこんでみると「フガー、うめー!」。口いっぱいにほうばったせいで呼吸が苦しくなるが、それでもさらに口に詰め込みたくなるほどの美味さ。旨辛版と比べると辛味がなくて濃厚さも抑えられているが、やっぱり牛めしはこの味でなきゃ、などとさっきの感動をどこかに置いておきたくなるレベル。かみごたえのあるお肉も醤油味と驚くほどマッチしている。こちらが好きな人は多いはず。
辛いものや濃い味付けが好きならば、元祖旨辛焼き牛めし。肉本来の味わいを堪能したいのならば、旨味醤油焼き牛めし。そして松屋の牛めしが好きでたまらないならば、通常版の牛めし。と、おすすめするタイプを分けてみたが、どれも別の魅力があるので、できれば交互に食べていただきたい。そして牛めしに飽きた時は、カレーもどうぞ。(エフェクト・山葉のぶゆき)
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