新たなトレンドを生み出し、何かと話題になるZ世代。彼らが使う言葉は流行語にもノミネートされ、どんな意味があるのかと毎度楽しませてくれる。
近頃では「キャンセル界隈」という、耳にしたことのないフレーズが流行しているらしい。若者とも円滑なコミュニケーションがとれるよう、チェックしておこう。

●面倒なことはしない「キャンセル界隈」
 Z世代が使う「●●界隈」とは、一昔前にSNSでよく使われた「●●クラスタ」のように、同じ志向をもつ集団を表している。その「界隈」の中で、今とりわけZ世代に共感されているのが「●●キャンセル界隈」だ。なんでも日常生活の行為を「面倒臭い」「コスパが悪い」といった理由でやらないという。
 特に「風呂キャンセル界隈」は多くの支持を集めていて、「翌日予定がなかったらだいたい風呂はキャンセル」「2日に1回は風呂キャンセルする」とSNSに多くの声が上がっている。驚いたのは「風呂キャンセル界隈」は一般人だけでなく、芸能人にも浸透していることだ。
 「踊る! さんま御殿!!」に出演したあのちゃんが「いま“お風呂キャンセル界隈”流行ってますよね。お風呂、みんな入んない」と話すと、元AKB48の福留光帆や柏木由紀もそれに賛同した。注目されやすい芸能人でさえも、風呂をキャンセルしているのだ。
 ほかにもZ世代らしい「ごはんキャンセル界隈」というものがある。「食事よりも他のことを優先したい」などの理由から、食事の回数を減らしたり、間食だけで済ませたりと、食事へのこだわりが減っている若者も多いようだ。

 セイコー時間白書2024が実施した「日常における時間の使い方」の調査では、現代人の約6割がタイムパフォーマンス、いわゆるタイパを意識して行動していることが明らかになっている。タイパを重視する時間は、掃除、料理、洗濯といった家事全般が上位に挙げられ、どれも風呂や食事に関係するものであった。この結果をみると、面倒なことはなるべく避けたい「●●キャンセル界隈」は、Z世代に限らずあらゆる世代で共通しているといえそうだ。(フリーライター・井原亘)

井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている
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