●地震では「生き抜くこと」が最優先
阪神・淡路大震災の発生当時、私は大阪市内に居住していた。幸いにも被害は受けなかったが、大阪で生まれ育った者として、人生で初めて震度5を経験した。その後、2018年の大阪北部地震では、震源地が自宅から約1キロメートルの地点で、震度6弱の強い揺れを経験した。壁にヒビが入ったが、ご近所を含め、壁のひび割れの修理しか行っていないため、再び地震が発生すれば、同程度の揺れでも地域一帯で家屋が倒壊する可能性が高いだろう。
これらの経験から、地震では「まず生き抜くこと」が最優先であると考える。もちろん、水や食料の備蓄、防災アイテムは重要であり、十分ではないが準備はしてきた。ただ、これらは「生きていてこそ」役立つものである。まずは、生き延びる可能性を高めねばならない。家具の転倒防止については、妻と二人の生活になっているため、タンスや食器棚は買い替え時に「胸よりも低いもの」を選ぶようにした。
また、生命の危機が最も高いのは家屋倒壊であり、阪神・淡路大震災でも死亡原因のほとんどが「窒息・圧死」である。2階建ての家でも、1階で過ごすことが多ければ、最悪のシナリオとして下敷きになるリスクが高まる。
阪神・淡路大震災の死亡原因
(出典:国土交通省近畿地方整備局)
こういったことから数年前、「ホイッスル」が準備・携帯できていないことに気づき、購入した。3個セットで1000円程度と安価だが、大きな音が出る。特別な訓練を必要としないため、誰でも簡単に準備と常時携帯ができ、安心感が得られる。
ホイッスルの例
特に、多くの家屋が倒壊した状況では、音を頼りに生存者を探す救助活動において、ホイッスルの音は極めて有効な手がかりとなるため、家族一人ひとりの携帯が望まれる。災害はいつ起きるか分からない。生き残っていることを前提にせず、「生き残ること」を最優先とし、日頃の備えを見直したい。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
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