イケメンで物腰が柔らかい中江さん。魂レベルが相当高いと思う。
インバウンドで“朝食”がちょっと流行っているようだが、そんなブームより前に朝食を提供している『日本料理 淡流』。2019年開店だが、その1年半後(コロナ禍真っ最中)には朝営業を始めていた。大将の中江悠文さん、そういえばオープン当初から言っていたっけ。「旅館の朝食が好きで。ご飯何杯でも食べられる朝ご飯をやりたいんです」と。
朝ご飯は第3日曜のみ、7時一斉スタート。税・サービス料込みで8400円。夜は約30000円~なので、朝は相当破格と言えよう。がしかし。
土鍋ご飯はお代わりOK。1人で1鍋食べる人もいるという。
「朝食」という一食に、そんなに大枚はたく価値があるのか。との疑念が頭をもたげるが、淡流の暖簾をくぐった途端、凛とした空気に包まれ背筋までシャンとなる。数寄屋造りの茶室を模した空間で、俳優の市川隼人さんそっくりの中江さんが迎えてくれた。
実は中江さん、姫路出身でオーストラリアに留学、その後もイタリアやドバイなど海外の和食店で修業、ついに『銀座 小十』の料理長に。2019年、地元に貢献するために戻ってきたという。
茶道も嗜みソムリエ資格を持ち、食材を育てるため山を所有し、漁業も狩猟も自ら行うというマルチすぎる方。もはや自分と同じ人間とは思えない。
さて、この日の朝食の献立はこんな感じ。月替わりである。
・岡田農産にこまるのご飯
・足赤海老としろ菜 ジュレ掛け
・鰆の味噌幽庵焼き
・百合根と椎茸の茶碗蒸し
・キジハタのカツ 鬼おろし
・南京と小芋 蟹餡掛け
・白味噌 蕪
・胡麻昆布 海苔佃煮 かくや漬 梅干し
・リンゴと柚子シャーベット
・薄茶
・きなこ餅
確かに夜と同等かと思うほど質の高い内容だ。
料理はどれも酒に合う。「朝から日本酒、ワインは普通ですね」とな。
しかも器が、魯山人だったり歴代樂焼だったり、手にするのが恐れ多いほどの高価な骨董。中には自分で焼いた皿まで(!)。ひとつひとつの器や料理についても、歴史や成り立ちを楽しく講釈してくれる。
キジハタは幻の超高級魚「アコウ」。前浜揚がりの魚にこだわる。
そうか、人はみな「ここで得られる体験」に価値を見出しているのか。と納得がいった。料理を味わうだけでなく、美術館のように作品に触れ、博物館のように史実を知り、大学のように知識を得ることができる。
「昼、夜とも食材や仕立てを少し変えています」というから
朝訪れる価値は大いにある。
食事が終わった後、物事への造詣が少しだけ深まった気がした。いや中江さんの博識さに比べれば1000分の1程度だが。
食後の和菓子も目の前でこしらえる。抹茶も表千家流で点てる。
中江さん…某局の「仕事の流儀」的な番組に出るべき人物である。こっそり推薦しようかと本気で思っている。
『日本料理 淡流』
住所/兵庫県姫路市朝日町58 メゾンソレイユ 1階
※こちらの記事は、関西の食雑誌「あまから手帖」がお届けしています。
あまから手帖=https://www.amakaratecho.jp/amakaratecho/
【注目の記事】
値段の書いていない割烹での衝撃体験!? 京都『割烹 市川』にて
神戸の“トルコ”は食欲をそそる
神戸で『吉兵衛』といえば、かつ丼か、天丼か。
兵庫・明石のタコしゃぶに見た、プロのひと工夫











![[USBで録画や再生可能]Tinguポータブルテレビ テレビ小型 14.1インチ 高齢者向け 病院使用可能 大画面 大音量 簡単操作 車中泊 車載用バッグ付き 良い画質 HDMI端子搭載 録画機能 YouTube視聴可能 モバイルバッテリーに対応 AC電源・車載電源に対応 スタンド/吊り下げ/車載の3種類設置 リモコン付き 遠距離操作可能 タイムシフト機能付き 底部ボタン 軽量 (14.1インチ)](https://m.media-amazon.com/images/I/51-Yonm5vZL._SL500_.jpg)