一方、今伸びているのはコンパクトカメラ。昨年11月以降、販売台数前年比の2桁増が続いている。2月現在で、コンパクトカメラの販売構成比は、販売台数が71.0%、販売金額が37.8%。依然として台数では主流のカメラだ。高価で大きく重いレンズ交換型より、安価で小さく軽く、そこそこの画質で写真が撮れるカメラを求める声は根強い。ところが、メーカー各社は、カメラ機能の進化が著しいスマートフォン(スマホ)にコンパクトでは戦えないと判断。
そこにはまったのが、コダックなど安価なカメラを得意とするメーカー。1~2万円台の手ごろなコンパクトカメラでシェアを伸ばしている。コダックは、1月、2月と20%超の販売台数シェアを獲得しトップを走っている。売れ筋モデルは「PIXPRO FZ55」。オーソドックスなコンパクトカメラで価格(税抜き、以下同)も2万円前後と安い。昨年春ごろまでは、価格が1万円台半ばだったこともあり、メーカーシェアも一時36%を超える勢いだった。しかし単価の上昇とともに失速。夏以降はキヤノンの攻勢に遭って大幅にシェアを失っていた。
そのキヤノンは、7月にトップシェアを奪還。
2月27日から3月2日、パシフィコ横浜で開催されたカメラの展示会、CP+2025でも、個性派コンパクトが人気だった。例えばキヤノンが4月に発売する「PowerShot V1」の試用コーナーには長蛇の列。オーソドックスなスタイルながらVlogを意識した製品。同社久々のコンパクトカメラの新製品ということもあり、期待が高まっているようだ。
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