同社の動きでこのところ目立っているのは、スマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT 5 Pro」のキャンペーンだ。タレントの木村拓哉氏をメインキャラクターに採用、知名度の向上を狙う。賀 プレジデントは「日本では、欧米に比べ、まだスマートウォッチの普及率が低い。伸びしろがある」と期待が大きい。スマホではある程度の知名度を得た同社だが、スマートウォッチでは今ひとつ。そこで今回、木村氏を起用し「大きな投資」(賀 プレジデント)を行ったという。国民的アイドルグループSMAPの解散、さらにジャニーズ事務所の解体という苦難を乗り越え、木村氏はここに来て一皮むけた感がある。さらに、WATCH GT 5 Proのウリはゴルフ機能。ゴルフへの関心が高く、ゴルフアパレルブランドの「MARK & LONA」でもアンバサダーを務める木村氏。今回の起用は、ジャストのタイミング、だったのかもしれない。
海外では「スマートウォッチそのもののデザイン性や健康管理機能を前面に押し出しているところも多い」(賀 プレジデント)、という同社。日本では特にスポーツ機能推しが目立つ。特にゴルフ機能には力が入っている。賀 プレジデントは「ゴルフ機能は、世界に先駆けて日本で最初に導入した。ゴルフ人口が多い一方で、人件費が高くキャディーなしで回ることも多く距離測定などの助けが必要」と話す。特にWATCH GT 5 Proは、国内2400以上のゴルフ場に対応。コースの全景表示や距離測定、グリーンの傾斜や方向を示す機能などが充実している。あるユーザーは「たまに不具合があっても、対応が素早く感心する」と話す。「日本で成功するには、日本市場の特性に合わせた改善が不可欠。Amazonなどへの書き込みも大いに参考にしている。ベータテストなどを通じ、発売前から発売後も常に改善に力を入れている」(賀 プレジデント)点が評価されているようだ。
もちろんゴルフ以外にも、ダイビングやランニングを始め、細かいものまで含めれば100種類以上の「ワークアウト」に対応する。
もう一つ、同社はオーディオの分野でもユニークな製品を投入し続けている。出色は「HUAWEI Eyewear 2」だ。日本の眼鏡メーカー、オンデーズと共同で開発した眼鏡型イヤホン。テンプルの部分にスピーカーを仕込んだ。
B to Bでも、一定の存在感を維持している。特にタブレット市場では健闘しているようだ。例えばレストランなどに設置する注文用タブレット。
2月、同社は久々に海外で大きな製品発表会を開いた。3つ折りスマホの「HUAWEI Mate XT」を中心として実施したマレーシア・クアラルンプールでのローンチイベントだ。世界各国から数百人を招いて大々的に実施。日本からも26名の記者やメディア関係者が参加した。賀 プレジデントは、このイベントを「一つの節目」と位置づける。
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