【家電コンサルのお得な話・253】「さいたま市みんなのアプリ」は、埼玉県さいたま市と民間企業などが出資する地域商社「株式会社つなぐ」が運営する「行政サービスや地域通貨機能など、生活に役立つさまざまな機能」を一つにまとめたスマートフォン(スマホ)アプリだ。さいたま市民以外も利用でき、2月7日に開始した「最大33% さいたま市みんなのアプリキャンペーン」は予算上限到達のため、早期終了した。


●「請求書払い」機能を追加 対象の納付書ならいつでもどこでも支払える
 2024年7月のリリース以降、利用者は18万人を超え、決済機能付き市民アプリとして広がりつつあるといえるだろう。その「みんなのアプリ」に、今年4月、新たに「請求書払い」機能が加わった。これは、さいたま市が発行する納付書(裏面に「さいコイン請求書払い」の記載があるもの)に印字されたバーコードをスマホで読み取るだけで市民税や固定資産税、介護保険料、学校給食費などの支払いが、地域通貨「さいコイン」で完了できるというものだ。
 一般的なスマホ決済アプリの「請求書払いサービス」と同様、支払いは24時間いつでもどこでも可能で、金融機関やコンビニエンスストアに足を運ぶ必要がない。まさに、行政手続きをスマート化する代表的な取り組みといえる。
 さいコインとは、アプリ内でチャージして使える地域限定の電子マネーであり、さいたま市内の加盟店や公共料金の支払いに利用できる。銀行口座や対象のクレジットカード、指定の銀行ATMからチャージ可能で、使用額に応じて「たまポン」というポイント(最終付与または最終利用日から180日間有効)も付与される仕組み。さらに2025年度中はチャージするといつでも金額3%分の「たまポン」がもらえる。
 「みんなのアプリ」の請求書払い機能の留意点としては、支払いには「さいコイン」のみが利用可能であり(たまポンでの支払いは不可)、複数の納付書をまとめて支払うことはできず、納付書ごとに個別に手続きする必要がある。また、領収書は発行されず、ポイント還元などの対象外となる。
 機能自体に目新しい点はないが、行政サービスのデジタル化が叫ばれる中、実際に市民生活に根ざした機能を市独自のスマホアプリで提供するという取り組みは、他の自治体にとっても参考になるはずだ。今年の秋以降、保育料や後期高齢者医療保険料の支払いにも順次対応予定となっており、今後のさらなる機能拡充にも注目したい。
(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。
【注目の記事】
決済機能付き「さいたま市みんなのアプリ」 7月31日スタート
d払い、請求書払いキャンペーン開催中 2025年6月30日まで
覚えておこう! スマホでのICチップ読み取り時の注意点
あと払いは「お買い物のネクストスタンダード」 日本のBNPL市場を創造した「ペイディ」の10年を橋本副社長に聞いた
2024年、転入超過数1位は東京都! その人数は?
編集部おすすめ