【家電コンサルのお得な話・258】6月24日、iPhoneにもマイナンバーカードの機能(iPhoneのマイナンバーカード)が搭載され、これでAndroid、iPhoneともマイナンバーカードの機能が利用可能になった。実物のマイナンバーカードを持ち歩かずに本人確認や証明書取得ができるようになれば、たしかに日常生活の利便性は高まるだろう。


●「マイナ保険証」は2025年9月頃から順次利用可能になる予定
 Androidスマートフォンでは「スマホ用電子証明書搭載サービス」として2023年5月からすでに電子証明書機能が利用可能だったが、今回始まったiPhoneでは券面情報も含めて「Apple ウォレット」に搭載され、対面での本人確認用途までカバーする仕組みとなっている。
 ただし、操作面や紛失時の対応については、まだまだハードルも高く、個人的には、使いこなせる自信がないというのが本音だ。例えばiPhoneでは、生体認証の登録が必須であり、人によっては初期設定や暗証番号の管理が複雑と感じるだろう。また万が一、スマホを紛失した場合には状況に応じて所定の手続きが必要など、課題も多い。
 こういったこともあり、気になるのが、この仕組みを「いつから使い始めるのが心理的負担の少ない、適切なタイミングなんだろう?」ということである。今年9月から、環境の整った医療機関・薬局から順次、「iPhoneのマイナンバーカード」も「マイナ保険証」として使えるようになる予定で、これにより、医療機関での提示にも使えるようになれば、本人確認・コンビニでの証明書取得・保険証の三機能がスマホひとつで完結することになる。その意味では、自治体のサポート体制が本格的に整い始めると考えられる年末から来年初め頃が、一般ユーザーにとっての「ちょうどよい始めどきではないかな」とも思っている。
 筆者自身、すでに定年を過ぎた年齢であり、仕事柄、ある程度、PCを使いこなしてきたつもりだが、スマホとなると操作のたびに戸惑ってしまう。そんな自分だからこそ、新しい制度に飛びつくのではなく、内容をよく理解し、自分にとって本当に必要かどうかを見極めてから導入することが、失敗しないためのコツだと実感している。
 便利さの裏には、見えづらい手間や不安が潜んでいる。制度を進める側には、その「ちょうどよい頃合い」で安心して使える環境づくりを、ぜひ丁寧に進めてほしいと思う。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。
大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所 堀田泰希を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実践的内容から評価が高い。
【注目の記事】
75歳以上の高齢者のいる世帯にエアコンの電気代2カ月分相当を支援 「熱中症は命に関わる」とメッセージ
「iPhoneのマイナンバーカード」本日スタート! 対応OSは「iOS 18.5」以降
マイナンバーカードの更新切れに気を付けて! 18歳未満は発行から5年ごと
マイナンバーカード保有枚数率10以上の県で8割超える 1位・2位は九州の県!
「マイナンバーカードの健康保険証の利用登録」でスマホがお薬手帳になる! 実際の画面を紹介
編集部おすすめ