●インバウンドではなく国内の顧客向けブランド
これまでビック酒販は、ビックカメラの店舗内のお酒コーナーを運営してきた。現在、ビックカメラ34店舗で運営している。今回、新たに「お酒屋」ブランドを立ち上げて、従来とは全く異なる単独路面店での展開となる。
お酒屋の狙いについて、ビック酒販の小堺絢介代表取締役社長は「お酒はインバウンドに人気だが、その一方で国内のお客様が買い物しづらい環境になっているのが課題だった。今回、活気のあるダイヤ街商店街に単独で出店でき、地域の方と一緒になって育てていく店にしていきたい」と語る。インバウンドとは一線を画した、地域の顧客を対象にしたブランドとなる。
実際、お酒屋 吉祥寺店は豊富な品揃えだけでなく、各階に無料で試飲できるコーナーがあったり、2階の試飲カウンターでは1000円で利き酒やテイスティングが楽しめたりする。3階にはセミナールームを設けるなど、お酒に関する地域の顧客との交流の場となることに力を入れている様子が伝わる。
建物は地下1~3階。地下1階はワインやシャンパン、スパークリングワイン、日本酒、焼酎などを展示。1階は入口近くにウイスキーやブランデーのほか、ビールや缶酎ハイ、ソフトドリンク、つまみなどを販売する。2階はスピリッツやリキュール、ワインセラー、セレクト家電のほか奥に試飲カウンターが広がる。
「贈答用のお酒を選ぶにしても、1本1万円する商品をそう簡単には選べないでしょう。自分で一口飲んでみたものをお渡しするのか、そうでないのかではずいぶん変わると思う」と小堺社長は、店舗で試飲して体験できるメリットを強調する。
品揃えではワインやウイスキー、日本酒、焼酎、スピリッツまで総合的に扱っているのも特徴だ。しかもお酒の専門店だけあり、各ジャンルごとの種類も豊富に揃えている。
また、「ソムリエである社員が、ワインセラーをおすすめする店はそうないのではないか」と、ビックカメラとの家電のシナジー効果も打ち出す。タコ焼き器や炉ばた焼き器、チーズフォンデュセットなどちょっとした調理家電も展開。グラスやオープナーなどの小物まで揃える。
もちろん、ビックカメラで購入した際に付与されるポイントも使えるし、ネットで注文したものを店舗でピックアップできる「ネット取り置きサービス」の受け取りカウンターも設置している。
お酒屋ブランドの店舗は年間2、3店舗を出店し、ビック酒販として2027年8月期に売上高100億円を目指すという。お酒屋 吉祥寺店単独では年商2~3億円を目標に据える。
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