18年1-6月のBDメディアの販売枚数を「100.0」として指数化したところ、22年から下落に転じていることが明らかとなった。上下動を繰り返しながらも、指数は減少し続け、25年1-6月は71.0と約3割減の規模まで縮小。そこでBDメディアと関連が深い、BDレコーダー市場の販売台数指数も算出してみた。BDメディア市場よりも早く、21年から指数が減少し始め、7年半で3分の1まで縮小した。この2つの指数は差が開きつつある。
では、本題のパナソニックとソニーがBDメディアの生産を終了した後、メーカーの顔ぶれがどのように変化していったのかみていく。
22年6月以降、上位メーカー別販売枚数シェアの動向をみる。23年6月まで、Verbatim Japanとマクセルが首位争いを展開していた。23年1月23日、パナソニックは同年2月に録画用Blu-rayディスクの生産完了することを発表。これを受け、パナソニックのシェアは18.9%と前月のほぼ倍に達した。その後、生産終了に伴い急速にシェアを落とす。
首位争いをしていたVerbatim Japanとマクセルだったが、23年7月からVerbatim Japanのシェアは右肩上がりに推移、独走体制に入っていく。一方、マクセルはソニーと2位争いを展開。パナソニックの生産終了の発表からちょうど2年後の25年1月23日、今度はソニーが、同年2月にBlu-rayメディアの生産終了を発表。ソニーのシェアは10ポイント超跳ね上がり、25年1月は28.6%まで達した。その後、ソニーと2位争いを展開していたマクセルのシェアが復調。25年6月に26.8%まで戻している。
BDメディアの需要は減少した。しかし、BDレコーダーほどの落ち込みではない。配信されず、地上波のみで放送されるコンテンツを保存する人が需要を支えていると考えられる。しかし、BDメディアの販売枚数は今後も減少を続けるだろう。パナソニックとソニーはBDメディアからは撤退したが、現在もBDレコーダーも販売していることから、BDメディアの需要はしばらく続くとみられる。(BCN総研・森英二)
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