大抵の人は「裸持ちが一番楽でスマートなのはわかるが、画面が割れたり本体に目立つ傷やヨゴレがついたりするのは避けたい」と思っているのではないだろうか。そうしたニーズを背景に、ケースや保護フィルム市場は賑わっている。全国2400の家電量販店やオンラインショップの実売データベース「BCNランキング」で、ケースや保護フィルムの種類とメーカーがどれくらいあるかを集計した。この7月だけでも、ケースが1万6369種類、メーカー数は315社。保護フィルムは1万550種類、メーカー数は96社に上る。売れ筋は比較的新しめのiPhone用だ。しかしそれだけではない。古めのiPhone用やAndroidスマホ用と対応製品は幅広く、それぞれに色や形のバリエーションがある。1万種類を超える製品が販売されているのもうなずける。
スマホケースの素材別に、この7月の販売個数を集計してみると、最も多かったのがポリカーボネイト製。32.7%を占めた。色は透明のものが最も多い。スマホ自体のデザインを生かしながら本体を守ることができ、しかも安価。人気の商品だ、次に多かったのが合成皮革を使った手帳タイプのケースで23.7%。仮に落としても、閉じた状態であれば、画面も本体も傷つくことは少ない。安心感がある。保護フィルムを組み合わせれば最強だ。ただ、スマホ本体が隠れてしまって、デザインの良さは楽しめない。
時折、画面がヒビだらけのスマホを使っている人を見かける。最初に画面が割れた時は大いにショックで気が滅入ったことだろう。しかしそのまま使い続けられることに気付き、だましだまし使っている、という感じではないだろうか。最近では、画面割れ程度ならその場で修理してくれる店も増えた。とはいえ、修理店を探して持ち込むのは面倒。修理代もばかにならない。ひび割れスマホを使い続ける気持ちも理解できる。画面割れは、保護フィルムを貼ることで、かなりの確率で回避できる。
保護フィルムには樹脂製のものもある。以前は主流だったが現在は少数派。この7月現在では、販売数の81.6%がガラスフィルムだ。樹脂製のフィルムは、指が引っかかったりして、画面操作時の使い勝手が悪くなってしまうことがある。ガラスフィルムなら、多少の差はあれ、使い心地はフィルム無しの場合とあまり変わらない。
ガラスフィルムをきれいに貼り付けるのは結構面倒で難しい。かなりの確率でゴミが入ってしまう。貼りなおしたりすることも多い。貼り付ける際には、画面をきれいに拭きとって、ゴミをブロアーなどで吹き飛ばして貼り付ける。この際に、小さなゴミが挟まってしまうのだ。小さいものならそのまま気にせず使うという選択肢もある。しかし目立つ場所にあると、つい目が行ってしまい気になる。そんな時は、ガラスフィルムによく付属している、ゴミ取り用のシールを使えば解決できる。ゴミの位置まで少しだけフィルムをはがし、粘着テープをフィルムに向けて接着させれば、大抵ゴミがシールに貼り付く。そのままシールを引き抜いて、もう一度ガラスフィルムをしっかり貼り付ければ、ほとんどの場合はOKだ。
スマホ自体のデザインを生かしつつ本体や画面を保護するなら、ガラスフィルム+クリアケースというスタイルがお勧め。かさばらず、保護効果も高い。スマホの持ち方として、現時点では最もバランスのいいスタイルだと思う。(BCN・道越一郎)
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