●人気デジカメブランド、満足度ランキングTOP3
まず、デジカメの満足度をCorekaのブランドランキングでみると、1位は「EOS/EOS Kissシリーズ(キヤノン)」、2位は「αシリーズ(ソニー)」、3位は「Zシリーズ/Dシリーズ(ニコン)」となった。
次に、ユーザーの声を基にした満足点からブランドごとの特徴を明らかにする。
三つのブランドに共通する要素として、使いやすさ、信頼性が挙がっている。「EOS/EOS Kissシリーズ」と「αシリーズ」に共通するのは、コストパフォーマンス。これは両シリーズともに、プロ向けから初心者向けまで幅広いラインアップを展開していることが要因と考えられる。
一方、「Zシリーズ/Dシリーズ」は、玄人向けの製品であるため、ピンと調整の柔軟性や高性能、高い描写力といったプロ並みの写真を表現できる点が評価されていることが明らかとなった。
さらに、満足度を左右する重要な要素として、レンズの種類の豊富さが挙げられる。「EOS/EOS Kissシリーズ」と「αシリーズ」はサードパーティー製を含めて、豊富な交換レンズを取り揃える。一方、「Zシリーズ/Dシリーズ」も近年交換レンズの種類を増やしているが、やや出遅れている印象があり、この点が満足度の差に影響している可能性が高い。
●デジカメ世代交代!キヤノン・ニコン vs ソニー、若年層獲得で明暗
性年代別のユーザー構成をみると、キヤノンとニコンはフィルムカメラ時代からの固定ユーザーが多く、既存のレンズ資産が他社製品と互換性がないため、他社への乗り換えが難しく、結果として既存ユーザーの定着率が高い傾向が出やすい。
このような背景から、両ブランドのユーザー層では高齢化が進んでいる。50代以上のユーザーが「EOS/EOS Kissシリーズ」と「Zシリーズ/Dシリーズ」では54%を占めるのに対し、「αシリーズ」では45%に留まる。
●【ペルソナ分析】デジカメ3大ブランド、AIでユーザー像を深掘り!
最後に、Corekaの性格・価値観分析を基にマクロミルのAzure Open AIを用いて、3ブランドのユーザーペルソナを作成した。
【キヤノンEOSシリーズ】「堅実に成功を目指す、戦略的な努力家」タイプ
キヤノンEOSシリーズの利用者は、「社会的成功」や「計画性」を重視する傾向が強く、「ステータス志向」や「計画重視」といった項目で平均スコアを上回る。自己実現や目標達成への意欲が高く、「探求心」も旺盛で、新しい知識やスキルの習得にも積極的。他者との協調よりも、独立した行動を好む傾向もみられる。
【ソニーαシリーズ】「独自性と理想を追求する、創造的な挑戦者」タイプ
ソニーαシリーズの利用者は、「探求心」が際立って強く、「完璧主義」や「創意工夫」といった、自己表現や成果への強いこだわりが特徴的。「ステータス志向」や「同調志向」も比較的高く、自分らしさの追求と社会的評価の両立を重視するタイプと言える。新しいテクノロジーや表現手法に強く惹かれ、個性と革新性のバランスを大切にする。一方で、「安定志向」といった従来型の価値観には、あまり重きを置かない傾向もみられる。
【ニコンZシリーズ/Dシリーズ】「慎重で着実に進む、職人気質の探求者」タイプ
ニコンZシリーズ/Dシリーズの利用者は、「完璧主義」や「計画重視」といった項目で高いスコアを示しており、事前準備や精密さを重んじる堅実な性格がうかがえる。「探求心」も強く、関心を持った対象には時間をかけて深く掘り下げる傾向がある。一方で、「強迫的協調性」や「社会性重視」といった対人関係に関する指標は平均よりやや低く、他者に流されず自分のペースを大切にする傾向がみられる。
●まとめ
スマートフォンのカメラ機能の向上やデジカメの価格高騰により、デジカメ市場は依然として厳しい状況が続いている。メーカー各社は新規ユーザーの獲得を目指し、「高機能化」と「レトロ回帰」という二軸の戦略を展開している。今後は、若年層の取り込みを視野に入れ、「映え」やスマートフォンとの連携機能を重視した製品が増加すると予想される。カメラ性能の進化により、プロのような撮影体験がより身近になる中、デジカメ市場は新たな局面を迎えていると言える。
Corekaによるアンケート調査の概要
調査名 デジタルカメラに関する調査
調査機関 マクロミル
調査方法 インターネットリサーチ
調査対象者 全国15-79歳男女
回答者数 4531人
割付方法 エリア性年代均等割付後、人口推計に合わせて構成比を補正
調査実施期間 2024年7月~2024年9月
BCNランキングの概要
全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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