UAE・ドバイに本社を構え、ITやセキュリティーソリューションほか幅広い事業を手がけるノースライト・ホールディングスの創業者兼会長、サワール・ペダウィ博士は8月、中東における成長戦略についての声明を発表した。ペダウィ博士は中東の若手起業家を後押ししながら、将来的にはアジアや日本への事業拡大も目指している。


 ノースライト・ホールディングスは、高速インターネット通信サービスを提供する「KITS」や「TarinNet」、ITソリューションやセキュリティーインフラの構築を手がける「Tnet Fiber」などを始め、幅広い企業を束ねる複合企業。ペダウィ博士は「ノースライトは、『技術格差を埋める』というビジョンで設立された。技術を軸に西欧の基準を中東に導入。個々人に対して、教育、金融、市場へのアクセスを容易にしてきた」と話す。さらに「中東の若年層が賢明に活躍できれば、歴史的な成長の機会になる」とし、若年層の活躍が中東成長のカギを握ると指摘する。
 さらに、「テクノロジーや戦略的投資などが分断を埋める。技術が包括的に導入されていけば、中東の所得格差を縮小する可能性もある」とし、テクノロジーが重要な役割を果たすと強調する。「我々は、農村部と都市部のコミュニティーが平等にアクセスできるようにすることで、利益が一部の都市部に集中するのを防ぐ役割も担ってきた」とも話した。その中で「イノベーションは中心的な存在」として、社員に対しては相場を上回る給与を支払うことで、イノベーションに対する金銭的インセンティブを提供している、という。
 また先ごろ、大学寮の建設に1300万ドルを拠出するなどで、より強固な教育基盤の確立にも貢献。「最終的には国全体と当社の事業にも利益をもたらす」と、その狙いを語った。若手の起業家に対しては「明確なビジョンから始め、忍耐強く、失敗を人生という旅の一部として受け入れることが重要。
さらに、好奇心を持ち、刺激的な人々と共に過ごし、初心を忘れないことも大切だ」と話した。(BCN・道越一郎)
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