ボーズは9月25日、同社のノイズキャンセリング(ノイキャン)ヘッドホンのフラッグシップモデル「QuietComfort Ultra Headphones(第2世代)」を発売する。価格は、5万9400円。
ボーズの公式サイトなどで予約受付中。本稿では、事前に行われたメディア向けの体験会の模様も含めて紹介する。

●つけるだけで耳を測定 音質をパーソナライズするボーズのフラッグシップヘッドホン
 新製品は、発売中のノイキャンイヤホン「Bose QuietComfort Ultra Earbuds(第2世代)」と同じく、使う人や環境によって、音質を最適化することをコンセプトとしている。先代の第1世代からの変更点は、再生時間が24時間から30時間に伸びたことなど。
 新製品を一言で表現するなら「環境を問わず快適な音楽・コンテンツ鑑賞を可能にするヘッドホン」。元祖ノイキャンの自負があるボーズに相応しく、周りの音を気にせずコンテンツに没入するための各種機能が備わっている。まだまだ蒸し暑く、ヘッドホンの季節とは言えないが、体験会を通して、機能面・サウンド面、共に通勤時間のお伴としては十分すぎる性能だと感じた。
 以下で、新製品の注目機能や特徴について紹介していく。
「音質を最適化」がコンセプト 個人や環境に合わせて最適な音を提供
 「音質を最適化する」ための最たる機能が、「Custom Tune」。耳の中に音を響かせ、その反響を付属のマイクで拾うことで、耳の中を測定する技術だ。これで、個人の耳に合わせて音質やノイキャンをパーソナライズできる。
 さらに、音量によって発生する聴こえ方の違いを自動で抑える「アクティブEQ」も搭載。
人間の耳はどうしても音量が小さいと、低音が聞こえにくくなる傾向がある。この機能はそうした音量で生じる聴こえ方の差を埋めてくれる。
 また、「Immersive Audio」機能も注目だ。ヘッドトラッキングセンサーを搭載することで、立体的な音の広がりを感じられるモードで、実際に使用してみると、目の前から音が聞こえるような臨場感が加わる。「静止」の場合は、頭を横に振っても、音の聴こえてくる方向が体の正面に固定され、「移動」の場合は、頭がどの角度でも前方から音が聞こえてくる。
ノイキャンは言わずもがな 外音取り込み機能がパワーアップし移動時間をさらに快適に
 ボーズの十八番ともいえるノイキャン。新製品は先代のフィードバックを受けて、機能を追加し、快適性を高めている。
 新製品のノイキャン機能はアプリを使えば、フルノイズキャンセリングの「Quiet」、外音取り込みの「Aware」、ノイキャンと空間オーディオを組み合わせた「Immersion」、そして新たに設けられた動画コンテンツ向けの「Cinema」の四つのプリセットを選択できる。ユーザー自ら新たな設定を作成することも可能だ。
 さらに、多くのフィードバックを受けて、外音取り込みモードに新たに「Active Sense」テクノロジーを搭載した。外音取り込み時に、電車の中で車両がすれ違う音に驚いた経験を持つ人は多いだろう。Active Senseは、そうした突発的な外音を自動で小さくしてくれる機能だ。

 製品体験時、飛行機内のような音が終始流れていたが、もちろんノイキャン機能により、気にせず音楽や映像に集中できた。手を叩いて、突発的な音を再現してみたものの、Active Senseのおかげで、聞こえないか、気にならないかという程度にまで音が抑えられていたことを確認できた。ちなみに、ノイキャンはオフに設定することもできる。
AIを活用 悪条件でもはっきり声が伝わる 通話や会議でも使える
 本体のマイクについても、環境音を抑える機能が設けられている。「ノイズリジェクションマイク」機能を使えば、AIを活用することで、通話の音質もクリアにすることができる。
 新製品には、計10個のマイクが設けられている。会場では担当者がこの機能の有効性を示すべく実演を行った。80dB相当の雑踏の環境音に加えて、製品にハンディファンを当てて、悪条件を再現し、ボイスメモを取った。結果、環境音も風切り音も消え、声だけが正確に届いていたことを確認した。この興味深い実演は、ほぼ同等機能を持つイヤホン「QuietComfort Ultra Earbuds(第2世代)」のみだったが、ヘッドホンでも実際に試してみたいところだ。
有線接続や自動スタンバイ かゆいところに手が届く機能も
 フラッグシップモデルだけあって、かゆいところにも手が届くような機能も備えた。
 接続方式はワイヤレスではBluetooth 5.4をサポートし、二つのデバイスと同時接続が可能。
Snapdragon Sound Certificationを取得しており、Androidデバイスなら、高音質と低遅延を両立したaptXも使用できる。
 付属の3.5mmステレオミニケーブルか、USB-TypeCケーブルを使用すれば、有線接続にも対応する。バッテリーを気にせず使用でき、USB接続の場合はFlac形式などのロスレスオーディオをサポートするため、音質をさらに重視したい人には選択肢の一つとなるだろう。
 また、装着検出機能を搭載し、耳を検出しない場合は、自動的にコンテンツ再生が停止する。さらに、ジャイロセンサーも設け、平らな場所に置いたときに、スタンバイモードに自動で切り替わる。再度装着すると自動で電源が入るので、電源の消し忘れによるバッテリーの消耗なども抑えられる。
 なお、バッテリーは15分間の充電で、2.5時間使用可能になる急速充電に対応している。
カラーはホワイト・ブラック 限定色も登場
 カラーはブラックとホワイトスモークのベーシックな二色のほか、限定色のミッドナイトバイオレット、ドリフトウッドサンドも展開。発売済みのQuietComfort Ultra Earbuds (第2世代)、Ultra Open Earbudsも同様の限定色を展開する(BCN・寺澤 克)。

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