●ダイニチの加湿器は全機種ハイブリッド式
まだまだ残暑は厳しく、気象庁の3か月予報でもこの秋は気温の高い日が続きそうだ。とはいえ、季節は間違いなく秋に変わってきている。家電量販店のチラシなどでは地域によって暖房製品が掲載され、店頭でも暖房製品への入れ替えが始まりつつある。
例年、暖房製品や冬向け製品はこの時期に新製品が発売となる。ダイニチ工業も25年度モデルの新製品を発表し、発売を開始した。まずは加湿器の新製品を紹介しよう。同社は03年から加湿器の製造販売をスタートし、累計生産台数は400万台を突破している。
同社の加湿器はすべてハイブリッド式である。加湿器は気化式やスチーム式、超音波式などの方式があるが、同社が採用しているのは気化式と温風気化式を組み合わせたものだ。
室内の湿度が低いときは水を含んだフィルターに内蔵ヒーターによる温風を当てて加湿する温風気化式、湿度が高くなると内蔵ヒーターを使わず常温の風をフィルターに当てて加湿する気化式と、加湿器本体が判断して自動で運転モードを切り替える。
同社のハイブリッド式はスチーム式のように吹き出し口周辺が熱くならず、超音波式とは異なり加湿する範囲が広いというメリットがある。
新製品は最上位モデルのLX・LXCタイプからコンパクトなRXタイプ、スタンダードのCタイプなど搭載機能や畳数に合わせて9タイプ25機種のラインアップがある。
全機種にeco運転モードを搭載し、常に気化式で加湿することによって時間あたりの加湿量は標準運転より減るものの消費電力は約1/7になるという。
また、機種ごとに異なるが、抗菌トレイやカンタン取替えトレイカバー、Ag+抗菌アタッチメントEXなど清潔機能やお手入れ機能も搭載し、ユーザーの使い勝手や利便性は向上している。
●最上位モデルはかんたんフィルタークリーナーを新搭載
新製品ではLX・LXCタイプに新機能の「かんたんフィルタークリーナー」を搭載した。これまで同社ではユーザーのメンテナンスを楽にするために前述の機能を搭載してきたが、これらは水の通り道に対する機能であり、空気の通り道が課題であったという。
そこで空気の通り道である背面の抗菌エアフィルターに着目し、このフィルターに溜まったホコリを簡単に掃除できるようにしたのが、かんたんフィルタークリーナーだ。
抗菌エアフィルターの左側にはダストケースが配置され、抗菌エアフィルターの取っ手を持ってダストケースを通過させるようにして2~3回左右に動かす。するとフィルターに付着したホコリがダストケース内の回転ブラシで掻き取られる。
週に1回程度、エアフィルターを左右に動かすだけで掃除ができ、ダストケースにホコリが溜まったらダストケースを取り外して中に溜まったホコリを捨てるだけ。捨てる際、ホコリに触れることなく、抗菌エアフィルターも含め、すべて水洗いができるので掃除の手間が大きく省ける。
また、Cタイプの加湿量500mL/h以上モデルとNタイプは、本体色に新色としてマットグレーを採用。個室でもオフィスでもインテリアと調和するカラーだ。
ダイニチ工業は1980年に家庭用石油ファンヒーターの初号機を発売し、2025年5月には累計生産台数が3600万台を突破した。
電気暖房やガス暖房と比べて石油ファンヒーターは給油の際の油の付着や運転終了後のニオイなど、ネガティブなイメージを持つ向きが多いのではないだろうか。
ダイニチ工業の石油ファンヒーターは機種によって異なるが、上位モデルのSGXタイプでは灯油タンクの上下に取っ手を付けて持ち運びを楽にした「タンクWとって」や、ワンタッチで簡単にタンクキャップの開け閉めができる「ワンタッチ汚れんキャップ」を搭載し、手間がかからず汚れない給油作業ができる。
運転終了後に感じるニオイは燃えきらなかった気化ガスが原因。同社の製品は、消火時にバーナーの温度を高温にすることで気化ガスをしっかりと燃やし切り、ニオイの発生を抑える「パワフル秒速消臭システム」か「秒速消臭システムプレミアム」のいずれかが全機種に搭載されている。
省エネについても全機種に「ecoおまかせモード」か「ecoおまかせモードプラス」のどちらかの機能を搭載。センサーで室温を見張りながら燃焼量をコントロールし、「ecoおまかせモード」は室温が設定温度プラス3度、「ecoおまかせモードプラス」ではプラス2度になると自動で消火する。その後、設定温度より1度低くなると自動で点火するので、灯油をムダに消費することがない。
さらにSCX、SDXの両タイプは省エネセンサーが人の動きを検知する。約15分間人の動きがないと自動で最小運転になり、約45分間人の動きがないと自動で消火する機能を搭載している。また、両タイプは前述のハイブリッド式加湿器のLX・LXCタイプに搭載の「かんたんフィルタークリーナー」も昨年から採用。同機能は石油ファンヒーターから加湿器へ転用されたというわけだ。
加湿器は家電量販店とホームセンター/一般販売店の2つでタイプの名称が分けられているが、石油ファンヒーターでは家電量販店、ホームセンター、一般販売店と3つの販売チャネルで取り扱うタイプが異なるので注意しよう。
秋以降は湿度が低くなり、特に冬から春先まではウイルスが流行する時期で加湿器は欠かせない家電製品の一つだ。石油ファンヒーターは燃焼時に水蒸気が発生し、暖房と同時に加湿もできるというメリットがある。同社の製品をホームページや店頭でチェックしてみよう。
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