ロジクールは9月30日、マウスのフラグシップ「MX Master」シリーズから最新モデル「MX Master 4」を発表した。前モデル「MX Master 3S」の発売から3年ぶり、メジャーアップデート(MX Master 3の発売)から6年ぶりのフルモデルチェンジとなる。


●「MX Master 4」はエンジニアやクリエイターのニーズをとことん満たすマウス
 MX Masterシリーズはただスペックが高いというだけではなく、新しい価値を創出することに意欲的なマウスだ。初代モデルはフリースピンを採用した垂直スクロールホイール、2代目は複数のPC間をシームレスに移動できるFlow機能、3代目は1秒間で1000行の高速スクロールなど、快適なユーザー体験を追求してきた。
 ただ、MX Master 4は、異次元への進化を遂げたといえる。なぜなら、今回の目玉といえる触覚フィードバック(ハプティック)というこれまで存在しなかった機能を搭載し、それがプロダクトの中心的役割を果たしているからだ。今回は現段階で唯一無二といえる、マウスにおけるハプティックがもたらす効果を中心に、事前のメディア向け発表会で語られた内容を紹介していきたい。
 発表会で本国から来日したlogitech InternationalでMXシリーズ シニアプロダクトマネージャーを務めるAlexandre Zreikat氏は、「MXシリーズの開発の原点にあるのはユーザー。特にエンジニアやクリエイターなど、1日に8時間以上もPCの作業を行っている人たちだ。彼らはさまざまなソフトウェアやアプリを駆使しており、非常に複雑な操作が求められている」と語った。
 Zreikat氏は「考えるのと同時進行で作業したい、没頭できる環境がほしい、効率化された自分のスペースがほしい」とMXシリーズに求められるユーザーのニーズについても説明。「MX Master 4はこれらに応えるためのマウス。他に類を見ない最高のマウスに仕上がった」と最新モデルの完成度に自信を示した。
●「触覚フィードバック センスパネル」が作業の効率化に貢献
 目玉機能の触覚フィードバック センスパネルは親指エリアに搭載している。
反応するのは、マウス本体のイベント発生時(本体の電池残量が少なくなっているとき、他のデバイスと接続したときなど)や、Logi options+操作時、サードパーティアプリ使用時だ。
 それぞれのシチュエーションに応じて、異なる振動でフィードバックを返し、まるで身体の一部であるかのように直感的な操作を可能にしてくれる。振動のパターンはカスタマイズ可能で、強度(4段階)やリアクションのタイミングなどを自分の好みで調整できる。アプリごとにON/OFFを切り替える選択肢も用意している。
 特筆すべきなのが、触覚フィードバック センスパネルを押すと起動する新機能「Actions Ring」。これは画面上に八つのショートカットがリング状に表示され、カーソルを合わせるだけで複雑なマウスやキー操作を瞬時に実行してくれるというものだ。
 これにより削減されるのが、作業時のマウスの移動量だ。同社は本機能によって移動量が最大63%減り、それに伴い、作業時間を最大33%時短することにつながるとしている。Logi Options+でアプリごとに操作の割り当てを変更できるので、ユーザーに最適化できる点も魅力的なポイントだ。
●操作性でも細かいブラッシュアップで快適性が向上
 既に前モデルのMX Master 3Sで操作性は完成された感があったが、細かい仕様変更により、さらなる快適性の向上にも取り組んでいる。1秒間で1000行の高速スクロールが可能なサムホイールは、本体から少しせり出したポジションに配置することで、指の接触面を拡大。ワンスクロールの回転数を高め、より効率的な操作感を実現した。

 接続方法はBluetoothとレシーバーの2通りあるが、同梱する「Logi Bolt USB-Cレシーバー」との接続性は前モデルと比較して2倍に強化された。具体的には、ICチップやアンテナの位置を改良し、セキュリティーもより強固になっているという。
●「MX MASTER 3S Bluetooth edition」も発売
 MX MASTER 4のカラーはグラファイトとペイルグレーの2色展開。価格はオープンで、ロジクールオンラインストア価格は2万1890円となる。発売日は10月30日。
 電池寿命は使用環境にもよるが、最大70日間とのこと。今回から備わった触覚フィードバックに必要な電力消費はそこまで多くないそうだが、残量が少ないときにはバッテリー節約モードに切り替える選択肢も用意している。
 なお、9月30日には従来モデル「MX MASTER 3S」の廉価版として、「MX MASTER 3S Bluetooth edition」も発表された。MX MASTER 3Sと性能差はなく、Logi Bolt USB-Cレシーバーを同梱していない以外の違いはなさそうだ。なお、今回発表した新機能のActions Ringにも対応している。
 MX MASTER 3S Bluetooth editionのロジクールオンラインストア価格は1万7820円。MX MASTER 4と比較して4000円程度安くなっているので、触覚フィードバックは自分にはオーバースペックと考える人にとってはちょうどよい選択肢になりそうだ。
(OFFICE BIKKURA・小倉 笑助)
■Profile
小倉笑助
家電・IT専門メディアで10年以上の編集・記者経験を経て、現在はフリーライターとして家電レビューや経営者へのインタビューなどをメインに活動している。最近は金融やサブカルにも執筆領域を拡大中

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