2025年9月19日にiPhone 17シリーズが発売になった。今回は、無印、Pro、ProMax、Airの4機種となり、14シリーズから登場したPlusは発売されていない。
毎年恒例となっているが、iPhoneの販売の初速を比較する。また、無印やProといったモデル別の構成比も算出し、発売15日間の構成比の変遷も比較していく。

 iPhone 12シリーズ('20/10/23発売:無印・Pro、'20/11/1発売:mini・ProMax)の発売当日の販売台数を「1.00」として、各シリーズの指数を算出。発売から15日間の初速を比較したところ、今年発売になった17シリーズは、12シリーズ以降、最も鈍い出足となった。なお、この初速比較はキャリア(au、docomo、SoftBank)が取り扱っているiPhoneのみを集計の対象としている。
 発売当日を比較すると、12シリーズは基準としているため「1.00」、13シリーズは「0.44」、14シリーズは「0.33」と落ち込んでいく。15シリーズは「0.42」と若干盛り返したものの、16シリーズでは「0.29」と再び大きく落ち込んだ。
 今回の17シリーズは「0.22」と更に落ち込んだ。その後もほかのシリーズを上回ることなく推移し、15日間の累計でも「2.15」と12シリーズ以降、最低の初動となった。
 次にシリーズごとのモデル別構成比を比較する。ここでのモデルとは、無印、mini、Plus、Pro、Pro Max、Airを指す。12シリーズ以降、どのシリーズにおいても無印とProの構成比が高いことは明らかだ。
12シリーズではminiが27.9%を占めProと無印に次ぐ構成比だった。
 miniが売れないということで、14シリーズからPlusが登場したが、構成比は4~6%程度にとどまる。今回から登場したAirは11.9%に達しており、Plusよりも高い構成比となった。また、Proの構成比は33.9%と、16シリーズよりも10ポイント近く減少。反対に無印は47.3%と、これまでのシリーズで最も高い構成比になっており、少しでも安価なモデルに需要が集中したとも言えそうだ。
 17シリーズの初速の鈍さは、円安が大きく影響していると考えられる。アップルの直販での価格設定は、17 無印の256GBが129,800円だ。昨年発売の16 無印の256GBより1万円安く設定されている。とはいえ、最安値のモデルが約13万円と高額になっていることは失速の一因といえそうだ。加えて、可処分所得の減少や消費材の値上がりなどにより、家電に割り当てられる金額が減っていることも影響している。(BCN総研・森英二)
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