ビックカメラ有楽町店のイベントスペースで11月9日まで開催している減塩サポート食器「エレキソルト スプーン」と「エレキソルト カップ」の体験イベントに参加してきた。本体のボタンを押すと微弱な電気が流れ、食べたり飲んだりすると舌で塩味が増して感じられる不思議なスプーンとカップ。
減塩で悩んでいる人や入院中の病院食を美味しく楽しめるなど、いろいろなシーンでの活用が期待される。

●キリンと明治大学の共同研究で製品化
 11月9日まで開催中のイベントの詳細については既報の記事を参照にしてほしい。なお、イベント終了後もビックカメラ有楽町店の地下1階で販売しているほか、ビックカメラ41店舗でも取り扱っている。11月1日から、ハンズやAmazonでも販売を開始。もちろん、エレキソルトの公式オンラインストアでも販売している。
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 ここではエレキソルトによる塩味を強く感じる仕組みや体験イベントでの感想を紹介しよう。
 エレキソルトは、キリンホールディングスと明治大学の共同研究の結果、減塩食品の塩味を約1.5倍に増強させる独自の電流波形の開発に成功したことから製品化に至った。イベントでは、製品開発を担当したキリンホールディングス ヘルスサイエンス事業本部 ヘルスサイエンス事業部の小林亮平さんから説明を受けながら参加した。
●なぜ塩味が増すのか?
 塩味やうま味が増強する仕組みを説明しよう。通常時、舌で塩味を感じるプラスの性質を持つナトリウムイオンは、一部は舌に触れずに分散して体内に運ばれるものがある。ところが、エレキソルトの電源を入れると、マイナスの性質を持つ微弱な電気が流れて、分散していたナトリウムイオンを引き付ける。舌と接触するナトリウムイオンが増えるので、塩味やうま味が増強するのだ。

 塩味が増強されるといっても、料理や飲み物に含まれているもともとの塩分量は同じなので、塩分を摂りすぎるということではない。舌に触れるナトリウムイオンの数が増えているに過ぎず、むしろ、薄味でも塩味が増すので「減塩」で悩んでいる人にとってうれしいアイテムといえるだろう。
●薄味だった豚骨スープの塩味が増した!
 体験イベントでは、「エレキソルト カップ」に市販の豚骨スープの素を薄めてつくったものを入れて、実際に試飲しながら塩味の変化を感じるという内容だった。
 最初に電源を入れずに味を確かめる。塩味は薄くて、文字通り味気ないスープだった。次に、本体の電源ボタンを2秒ほど長押しして電源を入れる。電気は「弱」「中」「強」3段階から選べる。「中」に入れて試食してみると、舌先の上で少しピリピリとした弱い刺激を感じるとともに、塩味が増したのがわかった。「強」にして飲んでみると、さらにしっかりと塩味が感じられた。
 もちろん、感覚には個人差があったり、料理によっても感じ方が変わるそうだが、記者は確かに塩味を感じた。一緒に参加した同僚も、塩味の明らかな変化に驚きながらスープを飲んでいた。
 塩味を感じやすくするには、エレキソルト→口・舌→持ち手の腕→エレキソルトという電気の通り道を意識するのがコツだ。

 なお、キリンが以前、一風堂と一緒に実施した塩味体験企画では、塩分を30%減らしたとんこつラーメン「減塩白丸元味」を共同で開発。4日間限定で販売してアンケートをとった結果、90.4%の人が「塩味が増強された」と回答したという。
 エレキソルト カップの電源は、本体底面に入っているリチウムコイン電池となる。1日3食で使用した場合、電池1個で約20日使用できる。メンテナンスは、カップ部分と底蓋部分を分離して、カップ部分を水洗いや食洗機で洗う。電源部である底蓋部分は水洗いできない。
 なお、エレキソルトは妊娠中や妊娠の可能性がある人や18歳未満は使用できないなど、いくつかの制約もあるので「安全上の注意」は必ずチェックしてほしい。
 また、イベントでは体験できなかったが、エレキソルト スプーンはカレーなど塩分を含むルーとごはんをからめるなどして食べると塩味を感じるという。
●薄味のラーメンやうどんもおいしく楽しめる
 エレキソルト スプーンの応用編として、ラーメンやうどんで塩味を楽しむ方法がある。スプーンの先端の電極をスープに入れながら、箸で麺類を口に運べば電気の流れがつくれるので、スプーンを直接口につけなくても塩味が感じられる。
 イベントを通じて、エレキソルトの可能性を感じた。減塩に悩んでいる人はもちろん、高齢の方へのプレゼントとしても喜ばれるだろう。
入院時の薄味の病院食も、美味しく楽しめるだろうし、ケアセンターなどの食事でも活躍しそうだ。日本人は塩分を摂りすぎていると言われる。薄味でもしっかりと塩味が感じられたら、塩分の過剰摂取も抑えられる。生活習慣病の予防として使うのも有効だろう。(BCN・細田 立圭志)
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