世界的な抹茶バブルが広がるなか、抹茶を通じて日本文化に関心をもつ外国人が増え、茶道などの文化体験が新たな観光トレンドになっている。欧米では健康志向を背景に抹茶がスーパーフードとして人気を集めている。
一方、日本では茶道人口の減少や茶農家の高齢化が進み、伝統文化の衰退が課題となっている。こうしたなか、京都で茶道体験教室を運営するアイディアルの、北海道ニセコで初の外国人向け「茶道体験プログラム」が注目されている。昨年は10か国以上から参加者が集まった。そして、同プログラムの第二回を12月8日から開催する。

●カフェイン過剰摂取の懸念から「抹茶ラテ」が日常ドリンクに定着
 世界的に抹茶バブルが到来している。欧米ではカフェイン過剰摂取の懸念や健康志向の高まりから、抹茶ラテが日常のドリンクとして定着し、SNSでは「#matchalatte」が拡散し、市場規模はイギリスだけで90億円を突破した。「抹茶=日本文化」であるにもかかわらず、日本人よりも外国人の方が抹茶を楽しむ時代になっている。日本では若者の日本茶離れと伝統文化の高齢化があり、お茶農家も15年で半減、日本茶の購入量もこの20年で3割減少し、お茶文化の衰退が深刻化している。
 アイディアルでは、昨年から北海道・ニセコで外国人観光客を対象に日本茶文化を体験してもらう「茶道体験プログラム」を開始。スキーリゾートとして知られるニセコでは、冬季に多くの外国人が訪れるものの「スキーをしない女性や家族層が楽しめるアクティビティが少ない」という課題があった。そこで始まったのが、日本の伝統を体験できる茶道プログラムとなる。
 英語での解説付きで、茶筅(ちゃせん)の使い方や和菓子との調和を学べる内容が好評を呼び、昨年初回開催ではオーストラリア、シンガポール、アメリカなど10か国以上から参加者が集まった。
京都の茶道師による丁寧な指導は「手順がわかりやすく、まるで瞑想のように心が落ち着く」と好評を得ている。「ニセコに来るなら立ち寄る価値がある」と参加者の満足度も高く、地域における新しい観光スタイルとして注目を集めている。
 第二回「茶道体験プログラム」の実施期間は、12月8日から来年3月中旬まで。開催時間は、14時から、15時から、16時から、17時からの全4席。本格的な茶の湯体験を気軽に楽しめるサービスとなっている。
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