●EOS後の買い替えは“段階戦” 価値訴求がカギ
――Windows 10 EOS後、市場の変化をどう見ていますか。
安藤General Manager(以下、敬称略) 今回は過去ほど「今すぐ買い替えねば」という切迫感が強くなく、緩やかな波でした。その分、「今のPCに不安があるから買い替える」という動機が中心で、相対的に低価格帯の動きが目立ったのが特徴です。ただ、買い替えの波はまだ続いており、セキュリティー意識の浸透とともに段階的に進むと見ています。
――EOSへの対応や移行支援として、どのようなことに取り組みましたか。
安藤 EOSは、段階的に買い替え・環境整備を支援するテーマです。店頭とWebで継続的に情報発信し、Windows 11環境やデータ移行、セキュリティーの要点を分かりやすく提示しました。また引き続き延長保証やキャンペーンで安心して移行できるよう背中を押します。
●17インチの約1.3kgで作業性と携帯性を両立
――基本スタンスと差別化の軸は?
安藤 当社は「大画面でも軽い」設計を徹底的に行っています。16~17インチ級でも約1.3kgの軽さで、移動の多いビジネスパーソンが出先でも広い作業領域を確保できる価値を提供しています。
塩川Marketing Communication 2Part担当 注目は「LG gram Pro 17」のような大画面・軽量モデルです。公式サイトの特集や店頭プロモーションで、一度持って、開いて、入力してもらえば作業性の差が分かることを訴えています。また、キャッシュバックや最長4年の延長保証などの購入支援も実施し、ビジネスでも学生でも選びやすい環境を作っています。春商戦の「14インチ常識」に17インチで風穴を開けるのが狙いで、家電のStylerやスマートモニターに通じる当社らしい独自性をPCでも提示します。
――ターゲットは誰ですか。
安藤 メインは目的が明確なユーザーです。全国を飛び回る年齢層が高めで男性のビジネスパーソンが中心で、移動中でも大画面で仕事がしたいニーズに応えています。同時に春先は学生需要が伸びます。荷物が多い中でも軽さ・大画面・堅牢性で、4年間の長期使用を見据えた選択に応えられるようにしています。
――価格競争が続く中でLGが「選ばれる理由」とは?
安藤 価格ではなく「価値」で選ばれる市場を見ています。
●AIは「生産性のコパイロット」 PCの役割が進化
――「AI PC」が話題になっていますが、これまでのPCと違った位置づけと価値は?
安藤 今、「検索のためにネットへ行く」という時代から「生成や効率化のためにAIへ行く」という時代に転換しようとしています。企業や個人でクローズド(ローカライズド)なAIを安全に活用したいニーズが高まり、そうなってくるとPCが最適なデバイスになります。AIは「生産性のコパイロット(副操縦士)」として情報過多の中で取捨選択を支援します。そして、最終判断は人が下す。そのワークスタイルを広げる存在だと考えています。
――今後の市場展望は?
安藤 PC市場は飛躍的に上がるとも下がるともいえませんが、コアな需要は底堅いと考えています。AIを核とした価値の積み上げと、軽い大画面という物理的な利便性の組み合わせで、ユーザーの生産性を着実に押し上げる製品を出し続けていきます。
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