ロジクールは2月3日、タイピングの振動を吸収&音を抑制するガスケットを初めて採用したワイヤレスキーボード「Alto Keys K98M」を発表した。ロジクールオンラインストア価格は税込1万8590円で、2月26日に発売する。
Alto Keys K98Mは25年9月にグローバルで発表されたモデルで、ガスケットを採用した汎用モデルとして大きな注目を集めている。心待ちにしていたユーザーも多かったのではないだろうか。今回の記事では、昨今のトレンドと合わせて本機の特徴を紹介。さらに実際にレビューして分かった良かった点・気になった点をレポートしたい。

●そもそも「ガスケット」とは? 20年ごろから自作界隈でブームに
 ASMR的な魅力もある「コトコト」という心地よい音がするメカニカルキーボードは、数年前から中華圏の自作界隈を中心にトレンドになり、昨年ごろから日本でもチラホラ見かけるようになってきた。ただ、採用しているものはゲーミングモデルが多く、汎用モデルの選択肢はほとんどなかった。
 ロジクールのキーボードといえば、先進的な機能や人間工学にもとづく快適性というイメージが真っ先にくる。これまでもタイピングの質にもこだわってきたが、「音」という要素にとりわけフィーチャーしたモデルはほとんどなかったように思う。
 そうした意味で、現在のトレンドを踏まえつつ、徹底的にコトコト音にこだわったキーボードを出してきたのは、同社として新しい挑戦といえる。
 そもそも同製品のキーワードとなっている「ガスケット」とは何か。これはもともと車の部品で、エンジンや配管などのつなぎ目で使われる緩衝材のことだ。キーボードにおいては、キーを叩いたときの緩衝材として機能しており、底打ち感を消し、柔らかな心地よい音を生み出す役割を果たしている。

 ガスケットマウントは20年ごろから自作界隈でブームになり、23年ごろから中国メーカーが既製品でも採用するようになり、広く知られるようになった。SNSでも頻繁にショート動画などが投稿されており、見かけたことがある人もいるかもしれない。
●ガスケットの効果を最大化するロジクールのこだわり
 Alto Keys K98Mの「UniCushion ガスケット」は独自開発したもので、非常に分厚いのが特徴だ。こだわりはガスケットだけでなく、キーボードの構成全体から見て取れる。
 10のレイヤーから構成され、そのうちガスケットを含む5層(ポリカーボネート製スイッチプレート、ラテックス製トップフォーム、IXPEスイッチフォームパッド、ラテックス製 ボトムフォーム)は衝撃やノイズを抑制する目的で搭載されており、それらのシナジーによって「最高のコトコト音」を生み出している。
 また、メカニカルキースイッチも独自開発の「Marble Switch」を採用することで、ガスケットとの合わせ技で従来のメカニカルキーボードで感じやすかった底打ちの硬さや鋭い打鍵音をやわらげてくれる設計になっている。
 筆者はキーボードのカチャカチャという音も嫌いではないが、2週間ほどAlto Keys K98Mをコトコトしていて、「気持ちはさておき、体が求めているのはこちらかも…」と感じた。それはコトコトという低音で柔らかい響きは耳にやさしく、底打ちの柔らかさが指先にも心地よいからだ。
 ガスケットのありなしは単純に音の違いで、体にかかる負荷が減るなどの効果はないが、少なくても耳と指は新しい音に喜んでいたように感じた。
●音以外の特別感も! スケルトンケースがクール
 音にこだわり抜いたAlto Keys K98Mだが、ロジクールのハイエンドモデルが備えているさまざまな高度な機能にも対応しており、作業効率を重視するユーザーにとっても不満のない仕上がりになっている。
 具体的には、最大3台のデバイスに簡単に接続できる「Easy-Switch」、BluetoothとLogi Bolt USB レシーバーによる2種類のワイヤレス接続方式への対応、専用アプリ「Logi Options+」による応用力の高いカスタマイズなどに対応。バッテリーもBluetooth Low Energy接続で、最長12カ月の連続使用が可能だ。

 ただ、筆者が特に推したいのは、デザインだ。最も分かりやすいのが、スケルトンのトップケース。特別感はあるがゲーミングのように奇抜ではなく、オフィスでもしっくりくるちょうどよさが魅力的だ。キーカラーはブラックとホワイトの2色があるが、ESC・スペース・エンター・アクションキーなどはグレーに色分けされており、スタイリッシュさもある。
 サイズがフルサイズではなく、やや小さい98%レイアウトとなっているのも、注目すべきポイントだ。パーツをぎっしり詰めて低く詰まった音を出すための工夫だが、作業スペースを少し広くとることができ、動きの無駄も減るため、効率性も上がったように感じる。矢印とテンキーの位置が通常より詰まっているので、慣れるまではちょっと違和感がある。「0」を押そうとして「→」を押してしまうことがたびたびあった。
 少し気になったのは、筐体の厚みだ。ガスケットが大きく、レイヤーが幾層にも重なっているため、Alto Keys K98Mは一般的なキーボードよりは厚めに設計されている。筆者はかなり手が小さいため、タイピングするときに角度がつきすぎて、手首と肩にやや負荷がかかった。高さを調整できるスタンドも備わっているが、それでもしっくりこない人はリストレストを導入するなどした方がいいかもしれない。

 いくつか気になった点はあるものの、最大の特徴である音はもちろん、機能やデザインも優れており、ロジクールが幅広いターゲットに推していきたい気持ちはよく理解できた。どんな音が自分に一番しっくりくるかは人によるので、必ずしもAlto Keys K98Mが正解になるわけではないが、新しい感覚をもたらしてくれるキーボードとして選択肢に加えてみるのはありだと思う。(OFFICE BIKKURA・小倉 笑助)
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