NASEF JAPAN(国際教育eスポーツ連盟ネットワーク 日本本部)は2月25~27日、企業・団体を対象にした「会員制度説明会」をオンラインで開催する。参加費は無料で、事前申し込みが必要。
若者に人気のeスポーツには興味はあるが、自社ビジネスとeスポーツをどのように結び付けたらいいのかがわからない、「eスポーツ×教育」には関心はあるが教材やノウハウがない――。そんな悩みを持つ企業・団体が対象だ。この記事では、NASEF JAPANがどのような団体なのか、これまでどのような活動をしてきたのかを紹介しよう。

●アジア地域のリーダー役を担う日本本部
 「会員制度説明会」の詳細については既報の記事を参照していただきたい。
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https://www.bcnretail.com/news/detail/20260210_596527.html
 グローバル本部のNASEFは、米国カリフォルニア州オレンジ郡アーバイン市にある。2017年に発足し、eスポーツやゲームを通じて将来、社会で活躍する人材を育成支援するという「eスポーツ」と「教育」を掛け合わせた団体なのが特徴だ。
 米国48州に2500以上のクラブ、国際的なパートナーは70カ国以上、加盟生徒数は2万1500名以上。その日本本部がNASEF JAPANで、20年11月に「アジア地域のリーダーになってもらいたい」とのNASEF米国本部の強い思いもあり発足した。NASEF JAPANは、22年8月にNPO法人化し、加盟高校数は全国638校まで拡大している(26年2月8日現在)。
 主な活動として有名なのは、全日本高校eスポーツ選手権の主催だ。スポーツ庁が後援する大会で、25年に開催した第3回大会には566校、918チーム、3682名の高校生が参加した。
●全国各地でデジタル人材を育成するユニークな活動を実施
 eスポーツ大会の主催で有名なNASEF JAPANだが、実は全国各地で地道な活動を行ってきた実績も見逃せない。
例えば、「eスポーツ×教育」という理念から、教育分野における各自治体や学校と連携した活動やイベント、デジタル人材を育成する取り組み、eスポーツやゲームを入口にした教材の開発、グローバル団体らしい国際交流など幅広い活動を展開している。
 今回の「会員制度」のオンライン説明会では、そこで得られた知見やノウハウを、ビジネスとつなげるためにNASEF JAPANがハブの役割を果たすことについて語られるようだ。
 NASEF JAPANの活動の一部を紹介しよう。「課題解決型学習(PBL=Project Based Learning)教育」では、全国7都市で研修会ツアーを実施。83校、200名を超える参加者が受講した。テーマに沿って作品を作り、発表する生徒向けの学習はもちろん、教員向けのPBL教育の啓発活動も実施した。
 eスポーツを入口としたデジタル人材の育成事例では、山口県で実施した若い人が楽しみながら学べる「デジタル・エデュテインメント推進事業」プログラムが面白い。
 シューティングゲームを通じて半導体の構造や製造工程を学ぶ「半導体人材育成講座」や、マインクラフトでチームに分かれて作品作りや発表をする「マインクラフト講座」、フォートナイトのメタバース空間で花火づくりにチャレンジする「メタバース講座」、3D CADソフトで設計した船を3Dプリンターでつくる「3Dプリンター講座」などバラエティーに富む。いずれも参加者が喜び、盛況だったという。
●高校生がAIのLLMを理解する!?
 茨城県教育庁が開催した「AI講座」では、サードウェーブのAI開発エンジニアとタッグを組んで、県立高校2校の高校生たちに、半年間かけてLLM(大規模言語モデル)を開発する授業をプロデュースした。「高校生にLLMを教えて、わかるものだろうか」と思うかもしれないが、最終的には生徒たちがテーマに沿った「チャットボット」を開発し、その成果を発表しあったという。
 他にも、驚かされる活動では、島根県立松江ろう学校での特別授業。
生徒にデジタルスキルを身に付けてもらうことによって、職業の選択肢の幅を広げ、将来自身で生計を立てられる力を養う狙いで昨年度から始まった活動だ。
 今年度は同校の創立120周年記念プロジェクトとして、在校生と卒業生の交流の場を創出してあげたいという先生の想いから、マインクラフトでの「バーチャル版 松江ろう学校」づくりが決まった。その第1回目の授業を行ったのが、NASEF JAPANの理事でもある東京大学 大学院情報学環の客員研究員のタツナミ シュウイチさんだ。
 生徒達の「音楽教室から作りたい」という要望に応えて、実際の音楽教室に移動して教室内を実測した後に、マインクラフトでの音楽教室作りがはじった。今では、卒業生のおじいちゃん・おばあちゃんが昔の校舎の写真を持って当時の話を交えながら「バーチャル版 松江ろう学校」づくりを応援してくれているという。
 当初は想定していなかった形で若い在校生と世代を超えた卒業生との交流も始まっているようだ。デジタルで地域社会の交流を深める取り組みとして注目される。
 国際交流では、NASEFとNASEF JAPANの連携により、「日本の高校」と「米国の高校」と姉妹校を結んで交流を深める活動の架け橋をNASEF JAPANが担っている。
 NASEF JAPANのほんの一部を紹介したにすぎないが、こうした活動を通じて独自の教材も開発している。
 大浦専務理事は「今後は高校生だけでなく、小・中学生や大学生、全日本高校eスポーツ選手権に出場したOBやOGの人たちとつながる大きなコミュニティーを育てていきたい」と語る。既に、高校生向けにつくった探求学習の教材に加え、小・中学生向けの教材の開発も進めている。
 NASEF JAPANの活動に興味を持つ企業や団体は、2月25~27日に開催する「会員制度説明会」で意見交換をするといいだろう。

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