【家電コンサルのお得な話・286】 2025年12月、住宅ローン減税等の延長・拡充が盛り込まれた「令和8年度税制改正大綱」が閣議決定された。住宅ローン減税については、適用期限を5年間延長し、今年1月1日から2030年12月31日までに入居した場合を対象とする。


●2028年入居から新築の対象物件が厳格化
 国土交通省のウェブサイトで公開されている資料にも明記されている通り、今後の国会で関連税制法が成立することが前提となっている。法律は形式上、審議・採決を経て成立する。しかし税制改正は例年、成立を前提として1月入居分から適用する設計となっている。そのため、今年1月1日入居分から適用される前提で手続きが進められている。
 住宅ローン減税の正式名称は「住宅借入金等特別控除」である。25年入居分の住宅ローン減税は、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を所得税・住民税から最大13年間控除するというもので、住宅価格を直接引き下げるのではなく、住宅取得後の税負担を分散させ、実質負担を抑える狙いがある。
 今回の改正では、制度の枠組み自体は維持された。そのうえで、いくつかの変更が加えられている。適用期限は延長される。省エネ性能の高い既存住宅については借入限度額が最大4500万円に引き上げられ、子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ措置も講じられる。また、床面積要件は40m2以上へと緩和され、既存住宅(いわゆる中古住宅)にも適用される。
 一方で、2028年以降に建築確認を受ける省エネ基準適合住宅は、住宅ローン減税の適用対象外に変わる(登記簿上の建築日が2028年6月30日までのものは対象)。
あわせて、同年以降に入居する災害レッドゾーン内の新築住宅も対象外となる。
 つまり、制度全体としては現状維持ではなく、より省エネ性能の高い住宅や既存住宅、子育て世帯など政策的に誘導したい層への配分を拡充する。全体としては、対象層によって享受できるメリットが増減する再配分型の改正である。
 改正後は、入居時期、建築確認日、登記日付、住宅の性能区分など個別要件によって受けられる恩恵が変わっていく。確認主体は購入者本人であるが、制度の概要だけでなく、購入しようとする新築・中古の建売住宅、建てようとする新築住宅が要件を満たしているかについて、建築業者等に具体的に確認することが重要だろう。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)
■Profile
堀田泰希
1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所 堀田泰希を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実践的内容から評価が高い。
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