●未来のロボット社会を体験できるMIRAI ROBO SQUARE
近年、ショッピングセンターや大型店舗での清掃ロボットやファミレスでの配膳ロボットなどを通して、ロボットは身近な存在になってきている。また、テレビのニュースで二足歩行するロボットやバク転をするロボットを見たことがある人も多いだろう。
人口減少による労働力不足の解決やコミュニケーションの活性化、身体的負荷の軽減など、ロボットが対応する領域は広がりつつある。
このような最先端ロボットを集めたショールームのMIRAI ROBO SQUAREが2月19日にオープンした。運営するのは家電量販店のノジマ。デジタル一番星をスローガンとする同社は、デジタル技術産業への貢献と未来のロボット社会を体験してもらうことを目的にMIRAI ROBO SQUAREを開設したという。
オープン日にはセレモニーが行われ、同社の野島廣司代表執行役社長が登壇して挨拶を述べた。野島社長は「当社はデジタルを普及させ、ソリューションとして販売することで日本の発展に貢献しようと考えています」と同社の経営スローガンである『デジタル一番星』について言及した。
MIRAI ROBO SQUAREについては、「メディアでロボットが話題となっていた時期に社内でロボットを手掛けてみてはどうか、との提案がありました。検討を始めようとしたタイミングで、この場所がショールームとして活用可能だったため、投資を決断しました」
野島社長によると、プロジェクト開始からわずか4カ月間でオープンにこぎ着けたという。「MIRAI ROBO SQUAREのような場所は、日本にはほかにありません。
続いて今井透氏が登壇。同氏はソニーの初代AIBOの設計および製造責任者でVAIOの執行役員も務めた経歴があり、現在はノジマの事業部顧問に就いている。
今井氏は「ロボットはまだ家庭の中に完全に入り込めていないのが実情です。一方でフィジカルAIと呼ばれる領域は、目覚ましい進化を遂げようとしています。世界各国で開発競争が進む中、メーカーからの一方的な機能提供ではなく、お客様の『こんなものが欲しい』という声に応えることが重要」と話した。
さらに同氏は「ノジマがこのような場を作ったことは、日本のロボット文化育成の大きなきっかけになると確信しています」と語った。
続いて登壇したのは筑波大学サイバニクス研究センター長で、大学発のベンチャー企業CYBERDYNE社の創業者兼CEOでもある山海嘉之氏。
「現在、中国はフィジカルAIを中心に約21兆円もの投資がされていますが、日本はまだ100億円規模。しかし、日本にはコツコツと開発を続ける熱心な集団や新しいビジネスをつくろうとする人たちが多くいます」と国内のロボットに関する状況を解説した。
さらに山海氏は「センシング技術の向上により、ロボットを通じて医師が気づかないような人の内側や生理状態を把握できる時代が来ます。また、屋外はGoogleなどがストリートビューで地図を作りますが、建物の中はロボットが地図を作って空間情報を集約していきます」と話し、ロボットが活躍する未来への期待を語った。
●各種のロボットを6つのコーナーで展示
MIRAI ROBO SQUAREは、ショールーム全体が6つのコーナーに分けられている。エントランスを抜けると各社のコミュニケーションロボットが展示されており、その奥はGROOVE Xの家族型ロボット「LOVOT」のコーナーになっている。
コミュニケーションロボットは文字どおり、発話や本体の動作を通して人とコミュニケーションをとる。ロボットといっても見た目はぬいぐるみのようで、最新の技術によって実は感情表現も豊かなのだ。
コミュニケーションロボットの横に設けられたのはサイボーグとヒューマノイドのコーナーで、最近話題のフィジカルAIを体現した各種のロボットが展示されている。
これらは主に産業用途だが、各種のセンサーとカメラにAIを搭載し、ロボットの最先端技術に触れることができる。
また、医療においては装着者が筋肉を動かす電気信号を読み取り、装着者の活動をアシストするというロボット技術を生かした製品も展示している。
ロボット技術は人の移動や清掃・配膳にも活用されており、その製品はモビリティとクリーニングの2つのコーナーで見ることができる。
モビリティコーナーでは歩行の困難な人が乗り、自宅内での移動を伴う日々の生活をサポートする製品を展示。近年普及が進んでいる清掃・配膳ロボットもコーナーで展開されている。
ノジマのMIRAI ROBO SQUAREは、文字どおりロボットを通してこれから先の未来を垣間見ることができる。日曜・祝日は休館日だが、土曜日に品川駅近辺を訪れる機会があれば、一見の価値があるショールームである。
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