●パソコンが得意=評価されるという誤解
私は15年以上にわたり、多くの受験生を見てきましたが、その経験からいえるのは、大学が評価している「ITに強い」とは、パソコン操作のことではないということです。多くの受験生は、「IT」という言葉に対して「WordやPowerPointが使える」「タイピングが速い」「パソコン操作に慣れている」「プログラミング経験がある」といったイメージを持っています。
もちろん悪いことではありません。しかし、総合型選抜の評価とはほとんど関係がありません。なぜならそれらは操作スキルであり、大学が見ているのは思考スキルだからです。
大学が見ている「ITリテラシー」とは何か。実際に評価を伸ばしていく受験生には、共通点があります。
・情報を整理できる
・情報を分類できる
・複数の情報を比較できる
・構造化して説明できる
・情報から自分の考えを組み立てられる
これはまさに、ITリテラシーの本質そのものです。つまり、IT=情報を扱う力なのです。
●志望理由書にあらわれるITリテラシーの差
同じような経験を持っている受験生でも、志望理由書の印象は大きく異なります。
これは文章力の差ではありません。情報整理力の差です。
●合格者に共通する「フォルダ思考」
これまで多くの受験生を見てきた中で、合格していく受験生には、ある特徴があります。頭の中に“フォルダ”があることです。
経験、活動、学び、関心。それらが整理され、どこに何があるか自分で把握できている。だから面接でも、必要な情報をすぐ取り出せる。だから文章も自然と構造が整う。これはまさに、パソコンのフォルダ管理と同じ発想です。
●ITとはツールの話ではなく「姿勢」の話
総合型選抜で評価されるITリテラシーとは、プログラミングでも資格でもありません。
何を意識すべきか。KOSSUN教育ラボでの指導でも、私はまず塾生自身の経験や関心を「整理」することから始めます。
・経験を分類する
・関心を言語化する
・なぜ、そう考えたのかを構造化する
これだけで、志望理由書は一気に論理的になります。
●大学が見ているのは「この人は情報を扱えるか」
大学は研究をする人を選びます。研究とは、情報を扱う営みそのものです。だからこそ総合型選抜では、「この人は情報をどう扱う人か」が見られています。
15年以上の指導経験から、私ははっきりいえます。ITに強いとは、パソコンが得意なことではなく、情報を扱う姿勢が整っていることだということです。ここを理解した受験生から、評価は一気に変わります。
■Profile
小杉樹彦
慶應義塾大学院で修士号、横浜国立大学院で博士号を取得。KOSSUN教育ラボ、KOSKOS、志樹舎の創業者。全国の受験生、保護者から圧倒的な支持を集める。現在は塾、予備校経営のかたわら教育評論家として活動中。受験参考書を中心にロングセラー多数。
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